「え?」思わず声出たわ…ホンダで「N-BOXの次」に売れてるクルマの内装に驚いた
● ホンダでN-BOXの次に売れているクルマ、フリード フリードは2008年5月にホンダからデビューした1.5Lクラスのコンパクトミニバンだ。8年後の2016年9月に1回目のフルモデルチェンジ。さらに8年後の2024年6月、2回目のフルモデルチェンジが実施され3代目となった。目まぐるしくモデルチェンジする昨今のクルマの中では、「長寿」と呼べるモデルサイクルである。 2023年の販売台数は7万7562台で、軽自動車を除く登録車の販売台数ランキング堂々の第10位。いわゆる“買い控え”が起こりやすいモデル末期においても、前年比97.5%を維持していたのだから、その安定した人気が伺い知れよう。7万7000台という数字はホンダが国内で販売する4輪車の中で「N-BOX」に次ぐ第2位に当たる。フリードはホンダ国内営業の屋台骨を支える「第2の柱」と呼べる存在なのである。 ちなみに1位のN-BOXの販売台数はフリードの3倍近い23万1385台。「ホンダで一番売れているクルマ」は、「日本で一番売れているクルマ」でもあるのだ。1位が軽自動車で2位がミニバン……ホンダは今や「軽とミニバンの会社」なのである。 ● フリードってどんなクルマ? 国内で販売されるホンダのミニバンは、大きい順にオデッセイ、ステップワゴン、そして今回試乗したフリードがある。フリードはホンダのミニバンの中で最小サイズということだ。 ボディサイズは全長4310mm×全幅1695 mm×全高 1755 mm。ホイールベースは2740mm。プラットフォームは前モデルからのキャリーオーバーで、基本的な骨組みを流用しながら新開発のフロアパネルを組み合わせて剛性アップを図っている。
全長が45mmほど延びているのは、新型のハイブリッドユニットを搭載するための変更で、前輪前のフロントオーバーハングが40mmも長くなっている(残りの5mmは、リアバンパーのデザインによる)。45mm大きくなったが、それでも楽勝で5ナンバーに収まる大きさだ。ステップワゴンとオデッセイは3ナンバーになる。 またステップワゴンとフリードは国内で生産され、オデッセイは中国で生産されて、いわゆる逆輸入の形で日本に入れている。フリードとステップワゴンは埼玉製作所完成車工場で造られている(実は中国製オデッセイの試乗も済ませていて、記事化しようと準備していたのだが、諸般の事情で掲載中止となってしまった経緯がある)。 ● 新型になってデザインはどう変わった? 例によって、AD高橋氏から車両を受け取る。まずはクルマの周りをぐるりと一周。 一切のムダを削ぎ落とした、シンプルで洗練されたデザインに好感が持てる。この辺の“削ぎ落とし感”は、先般試乗したMINIにも通ずるところがある。前モデル同様に、Aピラーを思い切り寝かせている。そして後端のDピラーは真っすぐに直立している。Dピラー前のリアクオーターウィンドウが真四角になっている。前モデルではデザイン性を追求したためか、ウィンドウ後端が妙に絞られていて、斜め後方視界を無駄に狭めていた。新型では良好な視界が期待できそうだ。 ヘッドライトは流行りの薄目式で、その上に楕円形のデイタイムランニングランプが2つ。なかなかカッコ良い。面構えは少し、シトロエンのベルランゴに雰囲気が似ている。それをさらにスッキリさせたような印象だ。