【高価な再塗装?】世紀のスポーツカー&ドリームカーである「メルセデス 300SL ロードスター(W198)」の再塗装価格は高い?それとも安い?
老舗高級車ディーラーに任された
ハンブルクのスポーツカーディーラー、「デイヴィッド ファイネスト スポーツ カーズ(David Finest Sports Cars)」が再塗装を担当した。この老舗高級車ディーラーの本業は、高級スポーツカーの販売とサービスだ。「メルセデス 300SL」のような罪深いほど高価なクラシックカーは、そこでも例外であったのだ。 フリードリッヒエーベルトダムでのアポイントメント。2024年1月、マネージングディレクターのベンジャミン デイヴィッドは、満面の笑みで我々を出迎え、印象的なショールームを誇らしげに案内してくれた。「ポルシェ 911ダカール」、「ランボルギーニ ウラカン STO」、「フェラーリ 812 コンペティツィオーネ」、その他、数え切れないほどの夢のスーパースポーツカーが整然と並んでいる。そのほとんどは販売され、一部は冬の間保管される。 「デイヴィッド ファイネスト スポーツ カーズ」では、車は販売されるだけでなく、整備、改造、アップグレードも行われる。我々は、その時はまだ赤い「メルセデス 300SL ロードスター」の前に立っていた。
オラフ ボルンホフトが率いるワークショップチームは、専門知識を駆使しながらも、少しずつ「ディスクブレーキ」に慣れていかなければならなかった。ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリの修理はここでの日常業務だが、120万から150万ユーロ(約2億500~2億5,500万円)の「300SL」の分解と再塗装は別物だ。 「300SL ロードスター」の解体には2週間ほどかかった。すべての部品を適切に取り外し、ラベルを貼って保管する必要があり、そのために作業場の空っぽだった戸棚が満杯になった。
オリジナルの色は赤ではない
新オーナーの依頼で「300SL ロードスター」は購入に先立ち、この分野の著名人である専門家クラウス ククックによって精査された。 この専門家の報告書により、イタリアに最初に納車された「300SL ロードスター」は、1990年代に再塗装されていたことが判明した。1962年に「セメントグレー(DB186)」の外装色で工場を出荷されたが、この色は前のオーナーにとってはあまりにも目立たない色だったらしく、ロードスターは赤く塗り変えられた。 再塗装されている時点で購入を断念する理由にもなっただろうが、好みの色が無ければ再塗装するしかないのもまた事実。彼は自分色のロードスターを作るためにも再塗装を希望した。