直径6インチ「GaN基板」開発、住友化学が量産化へ
住友化学は直径6インチの窒化ガリウム(GaN)基板の実用化に向けて研究開発を加速する。GaN基板の研究開発テーマが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募プロジェクトに採択された。パワーデバイス向けでのGaN基板にGaN層をエピタキシャル成長させた構造である、GaNオンGaNウエハーの大口径化に取り組む。2024年度中に同ウエハーのサンプル提供を開始し、28年度中の量産化を目指す。 【写真】住友化学の直径6インチの窒化ガリウム(GaN)基板 NEDOのプログラムでは、GaN基板とGaN成長層のそれぞれで技術改良に取り組む。GaN基板ではGaN結晶の長尺化や品質向上などを狙い、GaN成長層では改良したハイドライド気相成長(HVPE)法による量産化を目指す。住友化学が持つ、プロジェクターの光源となるレーザーダイオード向け2インチのGaN基板の実績やノウハウも生かす考えだ。 GaNオンGaNウエハーは、GaN基板の上にGaNを積んで垂直に電気が流れる「縦型」のデバイスを実現でき、高耐圧で大電流対応に優れる点が特徴だ。電気自動車(EV)向けなどの用途での活用が期待されている。GaN基板関連では、三菱ケミカルグループなども研究開発に取り組んでいる。