元ネッツ指揮官のスティーブ・ナッシュ「今の私は自分の家族にフォーカスしている」
8月25日(現地時間24日)にスロベニアのリュブリャナで開催された、ゴラン・ドラギッチ(元マイアミ・ヒートほか)の引退試合“Night of the Dragon”には、数多くのスター選手やレジェンドたちが参戦した。 そのうち、フェニックス・サンズ時代の同僚スティーブ・ナッシュ(元サンズほか)、ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)、代理人のビル・ダフィーがドラギッチとともに会見へ出席した。 2008-09から2010-11途中まで、約3シーズンをドラギッチとプレーしたナッシュは、1996年のドラフト1巡目15位でサンズから指名されたポイントガード。キャリア18シーズンで2度のMVPに輝いたほか、オールスターに8度、オールNBAチームに7度選ばれ、アシスト王に5度も立った歴代有数の司令塔。 南アフリカで生まれたナッシュはバスケットボールとの出会いをこう話す。 「私はイギリスで育ち、初めて口にした言葉が“ゴール”だった。小さい頃はサッカーをたくさんプレーしていたんだ。13歳の時に新しい学校へ通い、バスケットボールを始めた。そこですぐさま夢中になったんだ」 レギュラーシーズン通算1217試合で、ナッシュはキャリア平均31.3分14.3得点3.0リバウンド8.5アシストに加え、フィールドゴール成功率49.0パーセント、3ポイントシュート成功率42.8パーセント(平均1.4本成功)、フリースロー成功率90.4パーセントと、正確無比なショットも光った。 2018年にバスケットボール殿堂入りし、2021年にはNBAの75周年記念チームの仲間入りも飾ったナッシュは、2020年9月にブルックリン・ネッツのヘッドコーチ(HC)となり、2020-21から2022-23序盤まで約3シーズン指揮を執り、レギュラーシーズン通算161試合で94勝67敗(勝率58.4パーセント)を記録。 「コーチをするプランはなかった。ブルックリンはユニークな状況にあったからこそ、自分の出番になった。ものすごい変化になった」と明かしたナッシュは、今後についてこうも話していた。 「コーチングは素晴らしい経験だった。ただ、私はキャリアコーチにはなりたくなかった。自分の子どもたちを指導し、彼らに人生を教えているところなんだ。私は選択する機会を手にした。自分の家族にフォーカスしているんだ」 50歳のナッシュが、今後NBAチームでコーチを務める可能性は低いのかもしれない。ただ、現役時代にチームメートたちの能力を最大限に生かし、所属チームを勝利へ導いてきたポイントガードかつリーダーだけに、いつかまたこの男が持つ経験が必要とされる日が訪れるかもしれない。
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