「どこを切り取っても映える」『鴨川ホルモー』万城目学がえらぶ京都で見るべき「近代名建築」3選
古都で存在感を放つ近代建築を巡る旅
京都は、近代建築の宝庫なんですが、京都大学に通っているころはそこまで興味がなかったんです。日本の近代建築の父と呼ばれる辰野金吾を知ったのは『プリンセス・トヨトミ』の連載中。 【画像】名建築家による意匠がちりばめられた、旧日本銀行京都支店 その後、建築の本を読んでいると辰野金吾の名前をよく見るようになり、このとにかく大きくて、けれども品があるがっちりとしたレンガ造りの「辰野建築」が気になるように。東京駅なども辰野の設計で、どこか似通ってはいるんですが、独特の存在感を放っています。 「京都文化博物館 別館」もおしゃれな店が立ち並ぶ三条通りでは異質な存在でしょう? 「長楽館」は、取材の場所として指定されて訪れたのがきっかけ。京都はとにかく暑くて寒いから、歩きまわるのもしんどいでしょう。ここなら観光とお茶が一緒にできて、いいんじゃないですか。どこを切り取っても映える写真が撮れますよ。 京大の時計台は、なんといっても空がひらけているのが好き。地元の学生の気分で、構内を堂々と歩きながら鑑賞してください。いつもの観光とは違う気分が味わえるはずです。
さまざまな建築様式が共存 往時の香りが残る優美な館
◆【祇園】長楽館 緑豊かな円山公園に佇む明治中期に建てられた迎賓館。 設計者は、立教大学の設計でも知られるジェームズ・ガーディナー。 外にはルネッサンス様式、館内にはネオ・クラシック様式やアール・ヌーヴォーなどを取り入れ、豪華な非日常空間になっている。 長楽館 所在地 京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604 電話番号 075-561-0001 営業時間 11:00~18:00 L.O. 定休日 不定休 ●見学はホテル宿泊客またはカフェ・レストラン利用客のみ可
名建築家・辰野金吾の自信に満ち溢れた意匠
◆【三条高倉】京都文化博物館 別館 旧 日本銀行京都支店 東京駅や日本銀行本店本館などの設計を手がけ、日本の近代建築の父と呼ばれる辰野金吾による作品の一つ。 1965年まで日本銀行京都支店として使用されていたこの建物は、赤レンガと花崗岩の横縞がインパクト大。 京都文化博物館 別館 旧 日本銀行京都支店 所在地 京都市中京区三条高倉 電話番号 075-222-0888 開館時間 10:00~19:30(催事により閉館時間変更の場合あり) 定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)