桜の開花って誰が決めるの!?「天気図と気象観測マニア」の予報士に聞いてみた
「開花しました!」 桜の木の周りで双眼鏡を持ったおじさんたちが宣言する、毎年春のおなじみの映像。そもそも「開花」って誰が決めるの?で、あのおじさんたちは誰!?関西各地の標本木を巡り歩く「気象観測マニア」の気象予報士・ABCウェザーセンターの真治大輔さんにきいてみました。教えて!真治さん!!
「生物季節観測」とは?
花が開いたり、葉が色づいたり・・・季節の移り変わりで現れる植物の現象を観測するのが、生物季節観測です。これ、気象台の職員が直接目で見て、記録しているんです。その観測結果から、季節の進み具合(遅れているのか・進んでいるのか)や過去と比較した気候の違い・変化などがわかります。 全国で統一した観測方法で生物季節観測が始まったのは、今から71年前の昭和28年(1953年)。その当時は植物34種目のほか、鳥や虫などの「動物」23種目も対象にしていました。いまは(2021年1月~)植物6種目9現象に絞って観測しています。
桜はどの品種が対象なの?
全国の多くの気象台では「ソメイヨシノ」を観測しています。「ソメイヨシノ」は日本各地の広い範囲に分布していて、地域ごとで比べたり、同じ地点で過去の開花状況を比べたりすることができるからなんです。ちなみに、南西諸島では「ヒカンザクラ」、北海道の一部では「エゾヤマザクラ」を観測しています。
なぜ「開花」がわかるの?
「生物季節観測」は実際に人が目で見て、判断します。 「標本木(ひょうほんぼく)」って聞いたことありませんか?各気象台では、観測する「代表の木」を決めていて、気象台職員の方(この方々が、あのおじさんたちです)がその「標本木」を定期的に目視で観測しています。木の高い所にあるつぼみは、直接目で見ることが難しいため、双眼鏡を使って、隅々まで丁寧に見ていくんですね。 また、桜の開花が近くなるにつれて、観測する間隔を徐々に短くして、開花を見逃さないようにしています。(例:1週間ごと→3日ごと→毎日→半日(午前・午後1回ずつ))その「標本木」に5~6輪の花が咲いているのが確認されると「開花」を発表、「標本木」のおよそ8割が咲いたら「満開」を発表します。