ディズニーだけじゃない、「若者のテーマパーク離れ」が止まらない…観光業全体で起きている「量から質」の転換
「若者のディズニー離れ」は昔から話題になっていた
「若者のディズニー離れ」 こんな言葉が、SNSをにぎわせている。ディズニーリゾートのチケットが高すぎて、若者がディズニーリゾートに行けなくなっているというのだ。 【写真】“インバウン丼”で話題の豊洲「千客万来」で見た「意外な光景」 たしかに、ディズニーリゾートでは、2023年にチケットが1万円を突破する日も出てきている。日によって若干の変動があるが、例えば今年8月のチケット代を公式ホームページで見ると、8月10日から17日までの1週間は、1デーパスポートで10,900円だった。しかも、これはあくまで入園料だ。 フィンクルの調査では、全体の51%がチケット以外で5000円~15000円を使うという調査結果を発表している。チケットと合わせれば1人15000~20000円はかかる人が多いということだ。 ただでさえ、若年層の賃金上昇も見込めない今、若者がディズニーから離れるのはある程度必然的なことである。ネットでは「若者のディズニー離れじゃなくて、ディズニーの若者離れでは?」という声なんかもある。 ちなみに、こうした話題は、今に始まったことではない。ここ10年の間、ディズニーリゾートのチケットの値段は上昇し続けており、「ディズニーは金持ちしか楽しめない」といった意見はまことしやかに語られ続けている。
「量」より「質」を重視したディズニーリゾート
しかし、いくらこのようなネット記事が出回ろうとも、恐らくこうした反応について、ディズニーリゾート側は「驚いていない」。なぜなら、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも、こうした高級化路線を否定していないからだ。 これには、コロナ禍での経験が大きい。コロナ禍での大幅な来場客の減少を経て、“量”を入れて収益を取る方向から、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に転換することを公式に発表している。 コロナ前のパークでは、人気アトラクションともなれば何時間待ちにもなることは普通のことだった。そんな状態からの脱却を目指し、チケットの値段を上げることで来場者の「量」をコントロールし、それぞれの客の体験の“質”を深める方向に舵を切ったのだ。 つまり、(言い方は俗っぽくなるが)「薄利多売」型から「高利少売」型で、少数精鋭の客により深い体験と、多くの消費をしてもらおう、というわけだ。