介護保険の母・樋口恵子91歳「他人のファインプレーに拍手を送ろう」第2回「樋口恵子賞」授賞式
◆頻尿、尿漏れ、便秘、下痢……「排泄」の悩みをサポート 「NPO法人 日本コンチネンス協会」 コンチネンスとは日々の生活の中で排泄をコントロールできている状態のこと。「すべての人が気持ちよく排泄できる社会づくり」を目指し、尿失禁などの排尿障害、便秘などの排便障害の悩みを聞く、無料の電話相談を30年以上続けているのが日本コンチネンス協会です。 全国に7つの拠点があり、各種のセミナーを開催。排泄障害の予防や適切なケアを指導できる人材を育成し、排泄のイメージを前向きに変える広報活動にも努めています。 代表の山西哲郎さんによれば、「高齢化で排泄の悩みを抱える人は年々増加しています」とのこと。年齢とともに排泄の悩みや不調が増えていくなかで、正しい情報を得て排泄習慣を改善できると、生活の質もアップします。悩みを抱える人、それを支えたい人に注目の取り組みです。 ◆「利用者本位」の介護サービスの実現へ。 「NPO法人 介護保険市民オンブズマン機構大阪」 オンブズマンとはスウェーデン語で代理人や代弁者の意味。介護施設と利用者のよりよい関係を作るために、市民ボランティアのオンブズマンを養成。オンブズマンは2人ひと組で月1回、介護施設を訪問して利用者の要望を聞き取り、観察して気づいたポイントとともに報告書にまとめて施設に伝えます。 利用者が直接施設に言えない課題をオンブズマンが伝えることで、施設はサービスの改善を目指すことができる。こういった活動をのべ100カ所以上で23年間展開してきました。市民が主体的に介護に関わることと、利用者主体のサービスの実現を目指しています。 最近は「外国人介護職員応援隊」をつくり、日本の介護労働に慣れない外国人職員にボランティアが伴走する活動を2022年から開始しています。代表の三木秀夫さんは「『告発型ではなく橋渡し役を』を合い言葉にやっております」と笑顔で語りました。
【関連記事】
- 樋口恵子「90歳で補聴器デビュー。小さくて上下が分からず、1年間は入れ間違えてばかり…。年齢を重ねると何かと物入りだ」
- 樋口恵子「高齢者ひとりでも大丈夫」と思いたいけれど、全然大丈夫じゃないと老いて実感。同居家族がいても「おひとり死」はありうることと心得るべし
- 樋口恵子 ピンピンコロリが理想でも、現実はそう簡単にいかない…ドタリと倒れてから「さてどうやって生き延びるか」こそが大きな課題
- 樋口恵子 補聴器で医療控除が受けられず「老い」にはお金がかかると実感。心配してもしょうがない、老いが来たら「来た!」と思うしかない
- 樋口恵子「老年よ財布を抱け」。最後まで数百万円くらい自分で自由に出し入れできるようにしておくほうが心も広くいられるハズ