【オーストラリア】愛媛県、バイシクルNSWと覚書
愛媛県とオーストラリア・ニューサウスウェールズ(NSW)州機関バイシクルNSWは22日、シドニー市内で両地域のサイクリング事業を通じた交流促進に向けた覚書を締結した。両地域のサイクリング環境の改善とプロモーションを念頭に置いた関係強化を狙う。 覚書は愛媛県の中村時広知事とバイシクルNSWのピーター・マクリーン最高経営責任者(CEO)が締結。両名は締結式に先立ち、シドニーハーバーブリッジを自転車で視察し、サイクリング事業のビジョンや現状、施策について考えを共有した。 中村知事は同日の視察について「シドニーは自転車専用道路の整備や美しい景観など、サイクリストにとって走りやすい環境が整っていると感じた。今後の交流を通じて、NSW州からは特に安全性に関する取り組みを学びたい」と述べた。 一方で、マクリーンCEOも「愛媛県の取り組みは興味深いものが多く、特に車両と自転車の間に1.5メートル以上の間隔を保つよう呼びかける運動や学生へのサイクリング普及方法などはぜひ参考にしたい」と話した。 ■県の観光PRも また同日夜は、地場旅行代理店やメディア関係者ら約60人を招いた観光PRイベントを開催した。中村知事は、しまなみ海道のサイクリング体験や、かんきつ類の生産が日本一で、40種類も味わえることを紹介。また国内外の高級ホテルで使用されている「今治タオル」や道後温泉などにも言及した。 参加者の1人でオーストラリア人向けに四国お遍路ツアーを専門にしている「四国ツアーズ」の村下治さんによると、売り上げは絶好調という。「日本に行ったことがある顧客が大半で、彼らはより伝統的な文化や建物、地元住民らに触れたいとオーダーしてくる。愛媛県はそうしたニーズにマッチするスポットが多数ある」と大きな期待を示していた。