【全文】五郎丸ポーズ「みなさん研究が足りない」帰国会見(下)
ラグビーW杯で歴史的な3勝を上げた日本代表が13日に帰国、都内で記者会見を行った。会見には今大会限りでの退任が決まっているエディ・ジョーンズヘッドコーチと、イングランドで激戦を戦った代表全31選手が出席した。 【全文】帰国会見(上)エディHC「日本の新しいラグビーの歴史をつくった」 以下は質疑応答の全文。
「ラグビー選手を育てるための練習」が必要(エディー)
司会:ありがとうございました。それでは質疑応答の時間に入らさせていただきたいと思います。まず初めに代表質問のほうをお願いいたします。 日本テレビ:はい。代表質問を担当します、日本テレビの鈴木と申します。よろしくお願いします。座ったまま失礼します。 まずはエディー・ジョーンズヘッドコーチにお話を伺います。今回ワールドカップで3勝できたこと、日本代表が世界で戦う上で感じたその可能性と、さらに上を目指すためには何が必要だと思いましたか。 エディー・ジョーンズ:日本のラグビーは本領を発揮できてないと常に思っていて、日本には優秀な選手がたくさんいます。けれども日本のラグビー文化は、パフォーマンスをするというところではありませんでした。高校、大学、そしてトップリーグチームまでもがそういう文化です。高いレベルでパフォーマンスをするための練習をしていない。規律を守らせるために、従順にさせるために練習をしているだけなので勝てない。 けども、実際、日本人の選手の質は非常に高いです。この先、正しい方向に進んでいくためには日本のラグビーのマインドセットの変化が必要です。もし足の速いウイングが大学生でいれば、もしその選手に1週間6回練習させると、そして中距離ランナーのような練習をさせてしまうと、彼の走力が失われてしまいます。それが現実です。ウサイン・ボルトですけども、マラソン選手のような練習はしません。スプリンターとしての練習をします。そして高校、大学、トップリーグのチームは、ラグビー選手を育てるための練習をしなければいけません。それをすることでラグビー選手の層が厚くなり、競争率も上がり、情熱も上がります。そうすると結果、強い代表チームが形成されます。 けれども、しっかりとしたプランニングがないといけません。そしてそれを遂行する力がないといけません。それは非常に困難なことです。なぜ困難か分かりますか。なぜかというと変化が必要ですから。そして変化というのを嫌う人もいます。 日本テレビ:今回のこのワールドカップを持って退任されるということなんですが、日本ではまだまだヘッドコーチを続けてほしい、辞めないでほしいという声も出ていますが、いかがですか。 エディー・ジョーンズ:このワールドカップの結果は、自分のことではなくて選手たちです。ファンは本来はこの選手たちに続けてほしいと思うべきです。次のコーチが来て、たぶん自分よりも優秀なコーチが来るかもしれません。けれども、このチームの成長というのは、やはりこの後ろに座ってる選手たち次第です。もちろん自分の愛するチームを去るのはさみしいことです。