メジャーになるに従い「芸能界の闇」と向き合い始めた声優業界。浮かび上がるカネと女性問題…流れをせき止めないのが本当に正解か
アイドル並みの人気を博すのも珍しくなくなった「声優」。一方で労働条件悪化への懸念などもあり、令和3年4月1日から、声優も労災保険への特別加入ができるようになりました。声優事務所・スタイルキューブ代表取締役社長・たかみゆきひささんは、競争の激化で声優業だけでは食べていけない状況が生まれ、取り巻く環境はさらに変わりつつあると言います。そのたかみさんは、「声優業界が安易に芸能界化することは、望ましくないと思っています」と言っていて――。 これからの声優業界に必要なこととは…『アイドル声優の何が悪いのか? アイドル声優マネジメント』 * * * * * * * ◆声優業界と芸能界のハイブリッドを目指して 目指すべきは、芸能界のマネジメントと声優業界のマネジメントの良い点のハイブリッド。僕はそう考えて仕事をしてきました。 声優のアイドル化/タレント化を推進しながら、それを充分にフォローアップできる体制を整えるべく芸能界のマネジメントの作法を導入し、いまなお進む声優像の進化とそれに伴う事務所の形を模索しています。 2000年代に、「スタイルキューブはタレントに甘い(笑)」と言われたのは懐かしい思い出です。当時スタイルキューブでは新人の声優の仕事現場にもマネージャーが同伴するようにしており、車による送迎もしていました。 現場にマネージャーが来ないことが当たり前だった当時としてはとても珍しかったのです(未成年なんだからこちらとしては当然の対応なんですけどね)。そのように芸能界の方法で声優をマネジメントしていると、その頃は「過保護」という印象を周囲に与えました。 しかし最近の動向を見ると、現場にマネージャーが同伴するケースも珍しくなくなっていて、あれから時代はずいぶん変わったなと感じます。
◆既存の業界はいかに変われるか? しかし、まだまだ変化に業界が追いついていないのが現状です。 抜本的な変化を求めるのであれば、いっそ既存の声優業界をスクラップ&ビルドするという選択肢もあり得るのかもしれません。 僕はそれはあまり良いこととは思いませんが、ひとつの選択肢、可能性としては考えられることです。 もともとニッチでサブカルチャーであったアニメはいまやメジャーな娯楽となり、日本どころか世界においても「日本のアニメがすごい」という評価を得ることになり、「MANGA」や「ANIME」はもはや世界で通じる言葉です。
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