「更年期の手指の痛みや不調」におすすめの漢方とツボ
A子さんの舌診で問題を「水毒」と「冷え」と判断。まず水をさばく「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」を処方
「さて、A子さんのばね指について。 A子さんの舌をみて舌診すると、かなり水毒(浮腫んでいる状態)と冷えもあったので、漢方薬の温めて水をさばく処方『桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)』を出しました。 これは、冷えがある方、水分代謝が悪く水毒になりやすい方に適した漢方で、手指や手足の痛み、しびれ、関節痛などの症状によい漢方薬です」 「こちらを3日くらい飲んでみて、また教えてねと伝えました。 その後の報告では『あまり、変わりません…』そして、『今度は手がほてるんです』とのこと。 また、舌診して、水毒は良くなっていて、次の段階にはいった感じ。“水毒ではなく、血虚の感じが強い”ので、漢方薬は『温経湯(うんけいとう)』に変更。 この『温経湯(うんけいとう)』は、身体の奥をあたためて、末端のいらない熱を取る処方。唇が乾いてすぐにリップを塗る人や肌の乾燥、主婦湿疹と呼ばれる手指の荒れにもよいです。血を補い、いらない水はさばき、女性ホルモンのバランスもとる漢方薬。 こちらを服用して1~2日で、『手のほてりが取れてきました』との報告。そして、ばね指の症状も少し良くなりましたと。では、そのまま続けてみてね、と伝えました」
更年期の手指の不調におすすめの漢方薬。それぞれ、どんな人に向く?
他にこんな漢方薬も効果的。 ●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) +五苓散(ごれいさん) 舌の裏に血管の膨らみがある方[瘀血体質]でむくみがちな方に。手指の節々がこぶのようになり、痛みがある方などに。 ●当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) 冷房などで冷えて、痛みがでる方に。血流を促し温めて血を増やす。手指だけでなく下半身の痛みにも。 ●疎経活血湯(そけいかっけつとう) 血を増やしめぐらせ、気も増やす(血・気不足の体質の方)。腰痛持ちの方にもよい。痛み・しびれにも。
手指の不調におすすめのツボ押し
すぐにできるツボ押しは、手指のマッサージよりおすすめだ。
●曲池(きょくち) 肘を曲げた時にできる外側の横じわの端。くぼみの部分。 *肩コリの他、手首の腱鞘炎・胃腸の不調にも。