日本生命、米レゾリューションライフの買収で交渉-1兆円超とも
(ブルームバーグ): 日本生命保険が米系生保のレゾリューションライフの買収交渉に入っていることが10日、分かった。
日本経済新聞は同日、日生がレゾリューションの株式を米投資ファンドのブラックストーンなどから約82億ドル(約1兆2000億円)で取得すると報じた。日本の保険業界で過去最大の合併・買収(M&A)だという。
同報道に対して日生の広報担当者は、レゾリューションと買収に関して交渉中であるのは事実だとコメントした。日経報道によると、2025年下半期をめどに完全子会社する予定。買収は手元資金を活用する見込みという。
国内の人口減少から保険市場が厳しさを増す中、生保各社は国内事業の多角化に加え、海外事業の強化を進めている。日生も米国などの生保や資産運用会社への大型投資で規模拡大を目指す考えを示している。
9日の投資家向け説明会で配布した資料では、26年度までの中期経営計画で5つの戦略軸の一つに海外事業の拡大が含まれると説明。新たな収益の柱を確立し伸ばしていくためには、保険やアセットマネジメントなど海外事業の拡大が必要だと訴えた。
同社はグループ基礎利益を21-23年度平均の約7000億円から35年度には約1兆4000億円へと倍増させることを目指しており、そのうち約3割に相当する約4000億円を海外保険やアセマネなどで稼ぐことを目指している。
日生は19年以降、段階的にレゾリューションに出資しており、9日の資料によると現時点の出資比率は22%。また同資料では、既存の海外保険分野の投資先の収益拡大に加えて、安定的な成長が見込める先進国を中心に新規投資を検討する方針も示していた。
同日には米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下の米生保コアブリッジ・ファイナンシャルの発行済み株式の約21.6%を38億3800万ドル(約5850億円)で取得を完了したとも発表していた。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Taiga Uranaka, Nao Sano