「就活セクシズム」から「ゆるブラック企業」「ジェネリック服装自由化おじさん」まで…令和の“お仕事用語”26選
【退職代行サービス】 労働者の代わりに退職の申し出や手続きを代行するサービスで費用は1回の退職手続きで2万~5万円程度。2024年4月は新入社員の利用が増え、各社例年の数倍となった。退職を切り出すのは面倒かつ勇気がいる。退職を妨害されることもある。新しい会社での新生活の準備に集中したい、スマートに辞めたいというニーズに応えている。もっとも、労働者には職業選択の自由がある。このサービスなしでも辞められる社会であることは覚えておきたい。 【オヤカク、オヤオリ】 内定辞退、早期離職防止のための就活生の保護者に意思確認をするアクションを「オヤカク」という。保護者を集めて説明会や企業案内を行う「オヤオリ」もある。今どきの学生は保護者との距離が近く、かつ自立していないわけではない。内定辞退を防止するための、企業のなりふり構わない取り組みだといえる。 【カムバック採用、ブーメラン採用、アルムナイ採用】 一度、退職した元社員を再度採用する「カムバック採用」「ブーメラン採用」が広がっている。人材・人手不足解消のためのアクションである。元社員は自社の組織風土や業務内容を理解している上、他社の経験を経てその魅力も分かっているので、親和性が高い。副業として働くケースもある。退職者を「卒業生」と捉え、ネットワーク化する動きや、再入社を促す動きもあり、このような手法を「アルムナイ採用」と呼ぶ。週4日勤務、時間限定勤務、副業可など、柔軟な働き方を提示し呼び戻す例もある。 【内定パス、ファストパス】 企業の人材獲得が深刻化する中、採用活動を中長期の視点で行う企業が現れている。最終面接合格者に対して、複数年有効の「内定パス」、いきなり最終面接から受けられる「ファストパス」を発行する企業が現れている。他社に入社して合わない、辞めたいと思ったときに、選択肢にしてもらう狙いだ。柔軟な対応をし、なんとかして人材を確保するための苦肉の策ともいえる。
【配属ガチャ、上司ガチャ】 新卒採用では配属先の部署、職種、勤務地について、必ずしも希望が通るわけではない。ましてや、上司は選べない。この不安や悲哀を表現した言葉がこれと「上司ガチャ」だ。配属に対する諦念、さらには自虐の意味も含まれている。一方、この不安を解消するために、最近では配属先を確約する動きも目立ちつつある。
常見陽平