アフリカ南部最悪の飢餓危機 子ども2100万人が栄養失調に
ジュネーブ、スイス、10月16日 (AP) ― エルニーニョ現象に端を発したアフリカ南部の数カ月にわたる干ばつは、この地域で過去数十年で最悪の飢餓危機を引き起こしている。国際連合世界食糧計画(WFP)が10月15日、明らかにした。 レソト、マラウィ、ナミビア、ザンビア、そしてジンバブエの5カ国は、干ばつとそれに伴う飢餓に対して国家災害宣言を出した。 WFPの推計によると、アフリカ南部の作物の不作が原因で、2100万人の子どもが栄養失調に陥っているという。 援助機関は昨年末、自然現象であるエルニーニョが地域全体の降雨量を平均以下にし、気候変動に関連する気温上昇によって、その影響が悪化していることから、災害の可能性があると警告した。 干ばつに関係する災害宣言を出した5カ国は、国際機関の援助を懇願したが、WFP関係者は、アフリカ西海岸のアンゴラと東海岸のモザンビークも、干ばつによる"深刻な影響を受けている"と話す。 WFPは緊急支援に約3億6900万ドルを必要としているが、寄付金が不足しているため、その5分の1しか受け取っていない。 ザンビアは、巨大なカリバ・ダムでの水力発電に大きく依存しているため、電力を失い、数時間、時には数日間の停電に陥っている。 ダムの水位は非常に低く、ほとんど発電できていない。ダムを共有している ジンバブエも、定期的な停電に見舞われている。 ナミビアとジンバブエの当局は、飢えた人々に食肉を提供するために、ゾウを含む野生動物の殺戮に手を染めている。 科学者によれば、サハラ以南のアフリカは、雨水のみを利用する「天水農業」を主流とし、天然資源への依存度が高いため、気候変動に対して世界で最も脆弱な地域のひとつだという。 (日本語翻訳・編集 アフロ)