JR九州の転換点? 世界的ゲームコラボが示す「運賃値上げ」「インバウンド需要拡大」の厳しい行方、地域経済への影響どうなる
未来を切り拓く革新戦略
JR九州は、JRグループのなかで「異端児」ともいえる経営方針を採っており、その先進的な取り組みが注目されている。 【画像】「えぇぇぇ!?」 これがJR九州の「平均年収」です! グラフで見る(11枚) 特に、三井住友カードが主導するタッチ式クレジットカードを使った乗車ソリューションを、部分的ながらもいち早く導入した点が話題となっている。さらに、熊本県の交通事業者が交通系ICカードの取り扱いを中止したことと重なり、JR九州の技術革新への対応が際立っている。 また、観光旅行者向けの新たな企画にも取り組んでおり、その一例として人気ゲーム『ピクミン』とのコラボレーション企画がある。 これらの戦略は、JR九州が鉄道事業者として重要な転機を迎えていることを示しており、今後の事業展開にも大きな影響を与えると考えられる。
ゲームと鉄道が創る地域活性化
日本は「ゲーム制作大国」として世界に知られている。 ・スーパーマリオブラザーズ ・ゼルダの伝説 ・ドラゴンクエスト といったタイトルは、長年にわたり世界中で愛され、新作が発表されるたびに大きな話題を呼んでいる。そのなかで『ピクミン』もまた、国際的な人気タイトルとして確固たる地位を築いた。 この『ピクミン』とJR九州がコラボしたイベント『PIKMIN×JR九州~魅惑の惑星キュウシュウを探索せよ~』が、2025年6月30日まで開催されている。 イベントの目玉は、特別なデザインを施した『ピクミントレイン』や、各県の駅前広場で実施される『ピクミンフェスタ』、さらにはピクミンと写真撮影ができる『ピクミンフォト』など、多彩な企画だ。これらは、ファンが現地を訪れるきっかけとして十分な魅力を備えている。また、スマートフォンアプリ『My Nintendo』を特定の駅で開くことで入手できる限定壁紙といった「現地ならでは」の特典も用意されており、訪問意欲を一層高めている。 こうした取り組みの背景には、インバウンド(訪日外国人)需要の拡大がある。近年、JR九州や私鉄各社が進めるタッチ決済乗車の導入も、インバウンドの利便性向上を強く意識したものだ。 海外では、クレジットカードのタッチ決済による公共交通の利用が一般的だが、日本ではこれまで対応が遅れていた。この不便さが改善されれば、インバウンドの満足度向上が見込まれる。この施策は、COVID-19以前から計画されていたが、パンデミック後の需要回復を見据えた重要な施策として再び注目を集めている。 旅行者の増加は地域経済の活性化に直結する可能性を持つ。こうした戦略は観光地だけでなく、地方全体の発展にも寄与すると期待されており、地域経済の未来に向けたモデルケースとしても注目されている。