「少しでも近づきたい」メジャー目指す小笠原慎之介が語っていた「松坂大輔への憧れ」と移籍先候補
中日の小笠原慎之介(27)が今オフ、メジャーリーグ移籍を目指すことが正式に決定した。2年前からメジャー挑戦を表明していた小笠原だが、10月22日に球団がポスティングシステムによる移籍を容認。小笠原は、球団を通じて、 【弾ける笑顔】すごい!松坂大輔への憧れを口にすると笑顔が弾けた小笠原慎之介投手 「新監督(井上一樹)にもご理解をいただいた。不確定なことも多いが、チャレンジします」 とコメントした。すでに米大手代理人事務所と契約を結んでおり、移籍に備えている。 「神奈川県藤沢市出身の小笠原は、中学時代には名門の『湘南ボーイズ』に所属。3年夏には『全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ』で優勝しています。東海大相模高校に進学し、’15年の夏の甲子園で全国制覇を果たしています。10月25日配信の『BASEBALL KING』には、『小さい頃、横浜ベイスターズも身近でしたが、メジャーで日本人が活躍するのをテレビで見て「ここでやりたい」と感じていました』と語っていたことが報じられています」(スポーツ紙記者) ◆「何してもかっこいいよ~」 そんなメジャーで活躍した日本人の中で、小笠原が最も「同じ場所に近づきたい」と感じているのが、松坂大輔(44)ではないだろうか。同じ神奈川県にある横浜高校のエースで甲子園優勝投手。’06年11月にポスティングシステムにより、ボストン・レッドソックスに移籍した松坂は、移籍1年目の’07年に15勝し、リーグ優勝に貢献。同年、ワールドシリーズチャンピオンになっている。’18年に日本球界に復帰し中日に入団し、小笠原とは2年間、チームメイトだった。 ’18年8月、本誌「FRIDAY」は当時、入団3年目で、その年に開幕投手も務め、初の完封勝利を挙げるなど、中日のエースとして頭角を現した小笠原にインタビューを行っている。そこで語られた松坂への思いとは……。 「いや~、かっこいいですよね。なんて言うのか……。僕が小さい頃に見ていたのがレッドソックスの姿で、かっこいいな~って思いながら見ていたので。ボールがすごいとか以前にかっこいいな~っと思って見ていた人が同じロッカーにいるという。何してもかっこいいよ~って。野球とか以前にかっこいいな~って思って見ています」 ◆「世界が違うな~」 ’18年のシーズンからチームメイトとなった松坂大輔のことを聞くと、小笠原の口から出てくる言葉は「かっこいい」ばかりだった。松坂との会話で印象に残っていることは、 「投球フォームが球種によって変わっちゃうんです、と松坂さんに話したら『キャッチボールから意識したら? それでだいぶ変わると思うよ』と。ああしろ、こうしろ、じゃなく、導くような話し方をしてくれるんです。ベースボールと野球の両方を経験されているし、監督やコーチとも何か違って新鮮で。これからもいろいろと聞いてみたい」 と目を輝かせた。自身と松坂との決定的な違いについては、このように語っていた。 「とにかく黙々と練習されます。先日も試合で、フォアボールを続けて押し出しで得点を許したんですけど全然落ち着いていて、すごいな~って。マウンドさばきが全然違うんです。世界が違うな~って」 そして、最後に次々と打者を打ち取っていた高校野球とは違う「プロの壁」について、どう感じているのか聞いた時には、 「甲子園の優勝マウンドには、なかなか立つことはできないと思います。それでも僕は今のほうが楽しい。憧れのプロ野球選手になれたんですから。もちろん今の状況に納得してませんし、配球だったりバッターの心理だったり『野球をもっと覚える』ことが自分には必要だと思っています。吉見(元中日ピッチャーの吉見一起)さんや松坂さんに少しでも近づけるよう頑張るだけです」 と、語っていた。 ◆小笠原を欲しがる球団は…… 甲子園優勝投手で、ポスティングシステムを利用してメジャーに移籍した初のピッチャーだった松坂が経験したメジャーリーグの世界にあと一歩のところまできた小笠原。ただ、メジャースカウトの評価はそれほど高くはなく、慎重な意見も多いという報道が目立つ。果たして、メジャー移籍は実現するのだろうか。スポーツライターの友成那智氏は、「小笠原とマッチする球団はある」と分析する。 「今年は、シカゴ・カブスの今永昇太投手(31)やヒューストン・アストロズに移籍後の菊池雄星投手(33)の活躍で、日本左腕ピッチャーの評価がすごく上がりました。小笠原投手は27歳とまだ若く、クセのない綺麗な投球フォームです。メンタル面でも問題はないと思われている。今年の勝ち星は5勝でしたが、防御率3.12は評価できる数字です。先発5番手くらいで欲しがる球団は少なくないでしょう」 では、最もマッチする球団はどこなのか。 「ニューヨーク・メッツです。今シーズン、リーグ優勝決定戦まで進み、最終的にロサンゼルス・ドジャースに負けましたが、足りなかったピースを埋めれば来年はワールドチャンピオンを狙えると球団幹部は諦めていません。仮に先発が無理でも、ロングリリーフで使えると考えるでしょう。長期契約できるかどうか微妙ですが、海外FA権を行使しメジャー移籍を表明した巨人の菅野智之投手(35)と一緒に獲得する可能性も考えられます。2人が来年1年頑張ってくれれば球団にとっては御の字ですから」 移籍1年目で、ワールドチャンピオンとなれば、憧れの松坂とそれこそ、全く同じ運命を辿ることになる。まずは吉報を待ちたい──。
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