建設現場の手荒れ「仕方ない」諦める職人ばかり…スキンクリーム開発 「べたつかず作業に集中」好評
岐阜県大野町大衣斐の建設会社「三気建設」は、べたつきにくく、小まめに塗り直さなくても潤いが持続する「主守手(しゅしゅしゅ) ハンド&スキンクリーム」を販売している。建設現場で働く職人たちの目線から誕生し、手肌をいたわりながらも、塗ってすぐに作業ができると好評で、開発に携わった同社の杉山阿有美さんは「大切な人の手を守ることができたら」と話す。 のり面の保護を中心に手がける同社では、特にセメントを使う工事で手や肌が荒れてしまうことがあった。今年からUターンして、父親が社長を務める同社で働き始めた杉山さんは、入社後すぐの社員との面談で、「『これは仕方がない』と諦め、荒れたままで過ごす職人たちがいた。なんとか悩みを解決したかった」と振り返る。
職人愛用「持っていても恥ずかしくない」
以前勤務していた化粧品会社で、商品の企画や開発に関わっていた杉山さんは、製造販売元のコスメクリエイトプロダクツ(大阪市)と連携し、成分や香り、クリームののびなどを試行錯誤してきた。職人たちは休憩までの作業中にはクリームを塗り直すことができず、また、べたつきがあると機械の操作や車の運転などに支障があるため、潤いの持続とさらっとした肌触りを実現させた。 生活基盤を守る土木業界で働く人たちにスポットライトを当てるため、「主役は守り手」の意味を込め「主守手」のオリジナルブランドを立ち上げ、11月から販売を開始した。男性でも手に取りやすいデザインで、職人を中心に口コミで広まり、利用者からは「自分が持っていても恥ずかしくない」「手肌の荒れを解決できた」などの声が寄せられているという。杉山さんは「想定よりも売れ、愛用されつつある。大切な誰かを守るため、胸を張ってお薦めできる」と語った。 「主守手 ハンド&スキンクリーム」は60グラムで1540円。ホームページ(https://shushushu.jp/)から購入できる。
岐阜新聞社