金融庁×吉本興業で異色コラボも? イチから分かる!新制度になるNISAって結局なに?
例えば、100万円の現金を持っていたとする。もしも仮に、毎年3%の物価上昇が続いた場合、10年後にはその価値は74万円、20年後には55万円に。実質的な価値が、およそ半分となってしまう。
これまでの制度では、「一般NISA」と、より少額から積み立てて投資できる「つみたてNISA」があった。これらは株式などが非課税となる額や期間が異なっていて、「一般NISA」は年間の上限120万円で最大5年間、「つみたてNISA」は年間の上限40万円で最大20年間と決められている。この2つは、併用することはできなかった。 一方、2024年から始まる「新NISA」では、非課税となる金額を大幅に拡大。期限もなくなり、さらに併用もできるようになる。 上限は、一般NISAの後を継ぐ「成長投資枠」で年間240万円と、これまでの2倍。「つみたて投資枠」では年間120万円と3倍に。これらの枠の併用により、生涯での投資の上限は1800万円と、大幅にアップした。 NISAには専用の口座が必要となるが、すでに口座を持っている人は新NISA向けに自動で口座が開設される。一方、口座を持っていない人は、金融機関に申し込み、新たに口座を開設する必要がある。
■NISAカフェに対面セミナー!本腰入れる金融業界
このように、制度の変わり目となる2024年。ある金融関係者は「NISAをきっかけに、長く取引が続く可能性が高い。“金融は難しい”“投資は怖い”という意識をなくしてもらうチャンスにもなる」と話す。 金融庁によると、2023年6月末の時点で一般NISAを取り扱っている金融機関はおよそ700法人、つみたてNISAを取り扱っている金融機関はおよそ600法人に及ぶ。こうした中、みずほ銀行が打ち出したのは「NISAカフェ」。ドリンクを片手に、NISAについて聞けるブースを定期的に開いている。
また、大和証券はNISAや今後の株価に関する対面セミナーを開催。1回の講義に140人以上が参加し、相談窓口にも、NISAに関する相談が増えているという。NISAの口座件数は、2022年は3か月で1000口座程度の伸びだったのが、2023年は半年で3万口座の申し込みがあったという。ネット証券が増える中、窓口の担当者は「資産が増えていくとNISAも複雑化する。証券会社として、株の売買に限らず、事業承継や不動産売買など、総資産に対することに注力している」と話す。