尹大統領の拘束令状を発付 韓国地裁 現職大統領で初めて
【ソウル=桜井紀雄】韓国のソウル西部地裁は31日、「非常戒厳」宣布を受けた内乱容疑で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の拘束令状を発付した。捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」が明らかにした。公捜処などによる合同捜査本部は30日に令状請求を行っていた。 現職大統領に対する拘束令状発付は初めて。捜査本部が令状の執行にいつ踏み切るのかを含めて検討するもようだ。 尹氏は18日、25日、29日と3回にわたる公捜処の出頭要請を拒否し続けてきた。これを受け、公捜処は強制捜査が必要だと判断。大統領には不訴追特権があるものの、内乱罪は例外だ。 尹氏は国会などに兵力を投入した3日夜の戒厳宣布について、大統領の統治行為で、内乱罪には当たらないと主張。尹氏側の弁護士は30日、「公捜処に内乱容疑で捜査する権限はなく、不当な令状請求だ」として、地裁に請求を退けるよう求める意見書を提出していた。