交番で部下にわいせつ行為、けがさせた元警官を在宅起訴…熊本県警は公表せず懲戒免職に
熊本県警の元警察官の男が勤務する交番で、部下だった女性警察官にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ致傷罪で在宅起訴されていたことがわかった。男に対する裁判員裁判の公判が10日に熊本地裁(中田幹人裁判長)であり、検察側は懲役3年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は16日。
県警は男を懲戒免職にしたが、被害者保護などを理由に公表しなかった。県警は逃亡や証拠隠滅の恐れはないとして逮捕せず、任意で捜査して書類送検した。起訴は3月28日付で、公判では男の住所や氏名、年齢などは非公開となった。
起訴状などによると、男は昨年2月3日午後11時頃から同4日午前3時頃までの間、交番の男性用仮眠室で、女性の体を触るなどわいせつな行為をして、全治約10日のけがを負わせたとしている。女性用仮眠室にいた女性を携帯電話で呼び出したという。
検察側は論告で、「上司の立場を悪用した。女性は現在も精神科への通院を余儀なくされ、結果は重大」と指摘。弁護側は、「約30年勤務した県警を辞め、妻とも離婚した。社会的制裁を受け、深く反省している」とした。