重要でデリケートなステムベアリング。ロアインナーレースの取り外しにあると便利な工具はコレだ!
50ccのスクーターでも1000ccのスーパースポーツでも、ステアリングステムベアリングのコンディションはハンドリングを左右する重要な要素です。転倒による衝撃やメンテナンス不足によるグリス切れなどでダメージを受けたベアリングは交換が必要ですが、ステムシャフトに圧入されたロアインナーレースの取り外しに苦労することも少なくありません。そんな時に重宝するのが専用のプーラーやリムーバーです。 【画像】ステムベアリングの交換をギャラリーで見る(6枚)
ステムベアリング交換時はアウターとインナーをセットで交換する
バイクや自転車のステアリングには、ハンドルがスムーズに作動するようステムベアリングが組み込まれています。 装着されているベアリングがボールベアリングでもテーパーローラーベアリングでも、さまざまな原因でダメージを負ったステムベアリングは交換しなくてはなりません。ベアリングが回転するレース面に凹凸があると、劣化したホイールベアリングがゴロゴロしたり、フリクションロスの原因になるのと同様に、ハンドルを切る際に抵抗が生じたり引っかかったりするためハンドリングに悪影響を及ぼす可能性があります。 ホイールベアリングなどに使われているボールベアリングはアウターレースとインナーレースが一体となっていますが、ステムベアリングはアウターとインナーが別々の部品となっているのが特徴です。ステムベアリングの基本構成はフレーム側のヘッドパイプの上端と下端にアウターレースが圧入され、ロアブラケットのステムシャフト下端にはロアインナーレースが圧入されています。ロアインナーに対してアッパーインナーレースも存在しますが、こちらはステムシャフトが貫通するだけで圧入されておらず、ステムナットやトップスレッドと呼ばれるナットの締め付けトルクに応じてベアリング全体に加わる圧力を調整するために使われます。 ボールベアリングの場合、アウターとインナーを別々の部品として購入できる機種もありますが、交換の際はアウターレースとインナーレースをセットで交換します。これに対してインナーレースとテーパーローラーが一体式となっているテーパーローラーベアリングは、アウターとインナーはセットで部品設定されています。