挫折をバネに“ご当地”で総選挙に挑む、新潟「NGT48」の少女たち
通算8回目を迎えるAKB48グループの選抜総選挙の投票が、5月31日からスタートする。 昨年は、中国をはじめとする海外ファンからも多くの投票がなされ、開票イベントが行われた福岡ではホテルが軒並み満室となるなど、20億円以上の経済効果がもたらされたと言われる「総選挙」。今年もすでに開票イベントが開催される新潟では同市内のほか、燕市、三条市、長岡市といった県内のホテルが満室状態となり、イベント当日にはJR東日本が臨時列車の運転を発表するなど話題を集めている。 今や一大プロジェクトといっても過言ではないAKB48グループの総選挙だが、当然のことながら参加する少女たちにとっても「総選挙」のもたらす意味は大きい。
アイドルの魅力は“点”ではなく、“線”!?
アイドルの魅力は“点”ではなく、“線”で語られることが多い。 ルックスやキャラクターといった瞬間的な魅力だけでなく、成長過程や生き様といった“ストーリー”も含めて、ファンはアイドルという存在を楽しみ、応援している。AKB48グループのメンバーたちにとって、「総選挙」はそういった自身の“ストーリー”や感情が、数多くの人たちの前であらわにされる舞台でもある。 普段は笑顔を見せることが多いアイドルたちだが、「総選挙」の開票イベントのスピーチの際には、ときに人目もはばからず涙を流し、喜びや悲しみ、悔しさといった感情をストレートなまでにさらけ出す。その裏にはメンバー一人ひとりの努力や苦労、挫折といった蓄積された“ストーリー”があり、自身の存在が「順位」という形で数値化されることにより、普段は見せない感情が爆発する。 そして、少女たちは新たな目標やリベンジを掲げて、再び自身を昇華させようとする。 「総選挙」の開票イベントに関しては、日頃アイドルやAKB48グループに興味のない人たちからも、「アイドルには詳しくないけど感動した」、「元気をもらった」という声が聞こえるが、その背景にはこうした要素があるのだ。 もちろん、「総選挙」の結果が彼女たちのアイドル人生のすべてではない。 言うなれば、「総選挙」は“センター”や“選抜”と呼ばれる上位入賞メンバーだけに限らず、全員が主人公なわけだが、その一方で参加するメンバーたちが本気で情熱を注ぎ、上をめざすからこそ、輝きあるものとなる。実際に「総選挙」にはそれだけの価値があり、「HKT48」の指原莉乃や宮脇咲良をはじめ、その結果をキッカケにブレイクし、自身の“ストーリー”をさらに輝かせた者も多い。 “たかがお祭り、されどお祭り”なのだ。