今シーズンのNBAはスター選手のケガ多発? 欠場数が昨年比で24パーセント増
NBA 2024-25シーズンは例年どおり、熱量をまとって進行しているが、心のどこかで物足りなさを感じている人がいるとしたら、それはスター選手たちの欠場が原因かもしれない。 『Yahoo! Sports』によれば、今シーズンはスター選手の欠場が昨シーズン比で24パーセントも増加傾向にあるという。 ここで言及されている“スター選手”とは、過去3シーズンでオールスターまたはオールNBAに選出された選手を指しており、該当選手は49人存在する。そして、今シーズンの最初の10試合におけるスター選手の欠場試合数の合計は83試合となっており、これは昨シーズンの67試合を大きく上回っている。 リーグの勢力図に大きな影響を与えるスター選手だが、その影響が顕著なのはフィラデルフィア・セブンティシクサーズだろう。イースタン・カンファレンスで2勝8敗で14位に沈む同球団だが、これは大黒柱ジョエル・エンビードの欠場が大きい。キャリアで1度もレギュラーシーズンで70試合出場を達成していないエンビードは、パリオリンピックに出場した影響もあって調整遅れが噂されており、さらには地元記者への行きすぎた行動により3試合の出場停止処分が言い渡されている。また、同球団では新加入のポール・ジョージもプレシーズンでのケガによりシーズンデビューが遅れ、開幕から5試合を欠場した。 場所をウェスタン・カンファレンスに移すと、同じくキャリアを通して負傷に悩まされるカワイ・レナードもシーズン開幕から1度も出場がないままだ。『ESPN』によると、レナードは右膝炎症のリハビリで無期限離脱。ノーマン・パウエルの覚醒もあって、ロサンゼルス・クリッパーズは何とかプレーイン圏内を維持しているものの、攻守の要の不在はティロン・ルー監督にも手痛いはずだ。 その他のスター選手では、ジェイレン・ブラウンが4試合、ステフィン・カリーが3試合、ザック・ラビーンが3試合を欠場。この3選手はすでに戦線復帰を果たしているが、その代わりにパオロ・バンケロ、スコッティ・バーンズ、デジャンテ・マレー、ザイオン・ウィリアムソン、ジャ・モラントなど次世代を担う若手の中核がこぞって不在。さらに、ケビン・デュラントにも左ふくらはぎの負傷が報じられ、最低2週間はコートの外から試合を見守ることになる。 NBAがロードマネジメント(負荷管理)のポリシーを改訂してから2シーズン目となるが、今シーズンはこのペースが継続すると、スター選手たちの欠場試合数は1000試合の大台に到達する見込み。また、『In Street Clothes』によれば、NBA選手のケガはリーグ全体で増加傾向にあり、負傷による全選手の欠場試合数はシーズン開幕後3週間で668試合となり、これは昨シーズンの507試合から劇的な膨れ上がりを見せている。 ここでいうスター選手の扱いとはなっていないものの、チェット・ホルムグレン、クリスタプス・ポルジンギス、アーロン・ゴードンらも戦線離脱中。シーズンの結果はもちろん、チケット売上や視聴率にも影響するスター選手の存在。「スポーツにケガはつきもの」と慣用句のように使用されているが、リーグと球団はマネジメント面で解決を強いられている。 文=Meiji
BASKETBALL KING