旭化成・葛西潤「自分は攻めるだけ」 ハイペースで突っ込み優勝に貢献/ニューイヤー駅伝
◇第69回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝/1月1日、群馬県庁発着・7区間100km) ニューイヤー駅伝の総合成績、順位変動グラフをチェック! ニューイヤー駅伝が行われ、旭化成が4時間47分32秒で5年ぶり26回目の優勝を果たした。 優勝した旭化成の3区にはパリ五輪10000m代表の葛西潤が登場。区間2位の好走で優勝に貢献した。 パリ五輪後にシンスプリントに悩まされ、本格的なポイント練習に復帰したのは11月中旬。「正直、仕上がりとしては7割くらい」と万全の状態ではなかったが、「最後の方で調子を合わせてくれた」(宗猛総監督)とスピード区間の3区を任された。 先頭のGMOインターネットグループと29秒差の4位でタスキをもらった葛西。「自分は攻めるだけだと思った」と5kmを13分37秒のハイペースで突っ込み、6kmで先頭のGMOインターネットグループとトヨタ自動車に追いついた。 そこからはともにパリ五輪10000mを走ったトヨタ自動車の太田智樹とデッドヒート。10kmは27分42秒で通過した。 「最後の最後で練習の積み上げが足りなかった分で離されてしまいました」と13km過ぎに太田がスパートすると、じわじわと離されてしまう。最終的には10秒差の2位での中継となったが、「個人的には仕事をできたのかなと思っています」と現状のベストは尽くした。 旭化成は1区で長嶋幸宝が転倒した前回の雪辱を果たす区間賞。2区の茂木圭次郎もエース区間で粘り、「30秒から1分差」の想定を上回る秒差で葛西にタスキをつないだ。 2人の激走に「火を付けてもらった」と語った葛西。仲間の想いが攻めの走りを生んだ。
馬場 遼/月刊陸上競技