【セントライト記念】機動力と持続力を兼備するLyphard持ち スティンガーグラスは血統に文句なし
有力馬の血統解説
・コスモキュランダ 母サザンスピードは2011年コーフィールドC優勝馬。父アルアインは2017年皐月賞馬で、ディープインパクト系のなかでも馬力に優れたタイプです。 本馬自身も前走馬体重502kgのパワー型で、本レースと相性の良いLyphard+Nureyev+Danzigを併せ持つ配合形でもあります。 中山芝2200mがベストとまでは言えませんが、得意条件のひとつであることは間違いないでしょう。 ・アーバンシック 3代母ウインドインハーヘアに遡る名牝系に属し、母母ランズエッジは名馬ディープインパクトの3/4同血の妹。さらに、母エッジースタイルは2023年ホープフルS優勝馬レガレイラの母であるロカの全妹であり、本馬はレガレイラと同じスワーヴリチャードの産駒でもあります。 Lyphardの5×6・5を持ち、息の長い末脚を生かす競馬が合う一方、母父ハービンジャー譲りの緩さから先行争いに弱いのが課題です。 ただ、中山外回りならその弱点もごまかしが利きやすく、中山芝2200mは本馬の持ち味が存分に生きるコースではないでしょうか。 ・スティンガーグラス 母ライフフォーセールはアルゼンチンのダート長距離GⅠ・2勝馬で、本馬の3/4同血の姉には2018年阪神JF優勝馬ダノンファンタジーがいます。 キズナ産駒の本馬はLyphardの5×5を持ち機動力があるタイプで、同産駒は牡馬の方がこの傾向が強い印象。大幅な相手強化が課題ですが、血統面については文句なしの一頭です。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大