北大西洋条約機構（NATO）のルッテ事務総長は22日、北朝鮮のロシア派兵を巡り、ウクライナ戦争が大幅にエスカレートしかねないと警告した。 「北朝鮮がウクライナに軍隊を派遣すれば、戦争がエスカレートする可能性もある。非常に重大な事案だ」 ルッテ氏は、NATO加盟国との会談のため訪問しているエストニアで、北朝鮮のロシア派兵について、まだ確認できていないと述べた。 最新の情報では、北朝鮮がロシアに直接もしくは間接的にウクライナ紛争に介入する可能性があると指摘されている。 英国のヒーリー国防相は22日、議会で「北朝鮮からロシアへ、数百人の兵士を派遣し始めた可能性が非常に高い」と発言。 ロシア政府は21日、北朝鮮部隊がウクライナで戦闘を行うかとの質問に対し、直接回答することを避けた。ロシア政府報道官は、ロ朝の協力は第三国に向けられたものではないと述べた。 ロシアが「特別軍事作戦」として進めるウクライナ侵攻が開始し、2年以上が経過。ウクライナ軍は、西側諸国が供与した兵器を使用してロシアの猛攻を退けており、当初ロシアは短期決戦を計画していたが、現在は血なまぐさい戦争が長期化している。 ロシア政府は戦闘を維持すべく、新たな徴兵を余儀なくされている。最新の報道によると、ロシア軍は現在、国外からも動員を検討しているとみられる。 韓国の情報機関は先週、北朝鮮が特殊部隊1500人をロシア極東に派遣し、軍事基地で訓練を受けており、いずれウクライナ戦線に投入されるとの見解を示した。 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍に参加する北朝鮮部隊が1万2000人に上るとみられると発言した。 米国・ウッド国連代理大使 「ウクライナ政府を打倒することができず、ロシア側は紛争の拡大をもくろんでいる」 ウッド国連代理大使は21日、国連安全保障理事会で、北朝鮮の兵士がまもなく戦闘に参加する可能性があるとの情報を見たと指摘。 「事実であれば、危険かつ極めて憂慮すべき動向である」 北朝鮮が欧州でロシアの戦闘に参加するとの見方に、フィンランドの大統領はこう発言。 「ロシアがいかに必死になっているかがわかる。北朝鮮兵が味方として戦ってほしいかどうか、世界中に尋ねてみるといい。答えは誰でも、おそらくノーだ」 韓国大統領府の高官は22日、ロ朝の軍事協力強化への対応を協議。韓国がウクライナ側に致死性の武器を提供する可能性もあるとの姿勢を示した。