サニブラウン衝撃9秒台で東京五輪100m代表争いはどうなる?
横浜で開催された世界リレーは、期待を集めていた男子4×100mリレーが予選でまさかのバトンミス。優勝を目指していた日本は「失格」に終わった。しかし、半日後、海の向こうからビッグニュースが舞い込んできた。 米アーカンソー州で行われた大学南東地区選手権の男子100m決勝で、20歳のサニブラウン・ハキーム(フロリダ大)が9秒99(+1.8)をマーク。日本人2人目となる9秒台に突入したのだ。 レース後の取材では、「そんなに速く走っている感じはなかった。いつも通りの走りをしてフィニッシュした感じ」とタイムはさほど気にしている様子はなく、「そのうち(9秒台は)出るかなと思っていたので、そんなに考えていなかった」と話している。 東京都出身でガーナ人の父親を持つサニブラウンは、城西高校2年時の2015年世界ユース選手権で100mと200mの2冠を達成。200mではウサイン・ボルト(ジャマイカ)の大会記録を塗り替える20秒34をマークした逸材だ。 同年の北京世界選手権には男子200mで世界最年少となる16歳5か月で出場。2017年のロンドン世界選手権では、男子200mでボルトの最年少決勝進出記録を約6か月更新する18歳5か月でファイナリストとなり、世界を驚かせた。 2017年秋に米フロリダ大に進学するも、右ハムストリングスを肉離れ。昨年は100mのシーズンベストが10秒46と不本意な1年となったが、今年は春先から順調な滑り出しを見せていた。 3月9日に全米大学室内選手権60mで日本記録タイの6秒54をマーク。4月29日には追い風参考記録ながら100mを10秒06(+2.2)で駆け抜けると、5月11日に2年ぶりの自己ベストで10秒の壁を突き破った。 世界リレー2日目の5月12日、競技開始前に土江寛裕五輪強化コーチの囲み取材があった。 そこで土江コーチは、「いつでも(9秒台が)出る選手だと思っていました。レースの映像を見ましたが、そんなにアクセルをふかしてない。リラックスして、あのスピードをだせるのが彼の強み。日本選手権あたりで、とんでもないタイムが出るんじゃないですか」とサニブラウンについて話していた。 土江コーチは、チームジャパンのミーティングでサニブラウンの9秒台に触れていないというが、選手たちの反応はどうだったのか。