乳がん検診はどのくらいの頻度で受けるべき? 専門医のお勧めと理由とは?
検査を受ける際の注意点
編集部: それぞれの検査を自費で受ける場合、金額はどれくらいですか? 竹原先生: 自覚症状がない人に対する検診は自由診療(自費診療)となるため、医療機関によって異なります。一般的に超音波検査は5000円前後、マンモグラフィ検査は7000円前後、両方受けると1万~1万5000円程度になります。 高額と感じる方も多いと思いますが、自治体の検診だと自治体からの助成があるので、本来はこのくらいかかる検診を自己負担1000円前後で受けられます(自治体によります)。ぜひ活用しましょう。 編集部: 年1回の検診のほか、どんな症状が見られたら早めに乳腺クリニックを受診したら良いでしょうか? 竹原先生: たとえば乳房にしこりがある、乳房の皮膚にくぼみやひきつれがある、乳頭から血の混じった分泌物が出ているといった症状が見られる場合には早めに受診することをお勧めします。 また、乳がんのなかにはしこりを作らないものもあります。そのため、「最近なんだか左右の硬さが違う」など、なんとなくの違和感に気づくことも重要です。 編集部: 普段から意識することが大切ですね。 竹原先生: はい。現在では「ブレスト・アウェアネス」といって「乳房を意識した生活習慣」を実践することが乳がんの早期発見には非常に重要と考えられています。 普段から自分の乳房の硬さや大きさなどに気をつけ、通常の状態を理解しておけば、変化にいち早く気づきやすくなります。変化に気づいた際はすぐに乳腺科へ相談するようにします。 こうした生活習慣を心がけるとともに定期的な乳がん検診を受け、乳がんの早期発見に繋げてほしいと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 竹原先生: 乳がんは女性のがんで一番多いがんです。さらに発症率はどんどん高くなっています。20年以上前は25人に1人と言われていましたが、現在は8人に1人に近づいています。 発症率は1位ですが、がんの死亡率では乳がんは5位であり、これは「早期発見して適切な治療をすれば治る可能性が高いがん」であることを意味しています。 このことから、ブレスト・アウェアネスが重要であるとされています。普段から乳房を意識した生活を送ること、なにかあれば病院を受診すること、定期的な検診を受けることを心がけましょう。