新東京が語る、幾何学的なサウンド、メタ的な視点をテーマにしたコンセプトEP
新東京が、ニューEP『新東京 #5』をリリースした。杉田春音(Vo)、田中利幸(Key)、大蔵倫太郎(Ba)、保田優真(Dr)の4人によって構築される楽曲は、即興演奏的なアンサンブルにキャッチーな歌メロが乗ったポップネスが特徴的だが、曲が生まれる過程はリーダーの田中を中心にデータのやり取りから紡がれているという。そんな彼らの新作は、11月22日Zepp Shinjukuで開催されるワンマン・ライブに向けて、メタ的な視点をテーマとした4曲によるコンセプトEPとなっている。今作に込めたメッセージについて、メンバー全員に語ってもらった。 ―台湾のフェス〈ROCK IN TAICHUNG 2024〉に出演して帰国したばかりですよね。フェスはいかがでしたか? 保⽥優真(Dr):野音の3倍ぐらいの会場で、今まで一番多い人の前で演奏できて、嬉しかったです。本当に歓声が大きくて、あんなに大きい人の声を聞いたことがなかったので、めちゃくちゃテンションが上がってました。ライブではソロのセクションが多いんですけど、ソロが始まると「フォー!」ってノッてくれるので、すごくやり甲斐がありましたね。 杉⽥春⾳(Vo):ある意味、日本よりもアウェーじゃない感じだったんですよ。日本だと、例えば「このバンドが好き」とか、めちゃくちゃ琴線に触れたバンドに関しては、知らなくても応援したりすると思うんですけど、興味ない人は結構後ろの方でボーっとしたりすることもあると思うんです。台湾では本当に会場が一丸になっていたのが印象的でした。僕たちは台湾でほとんどやったこともないし誰も知らないのに、あんなにみんなで一緒の動きをしながら盛り上げてくれて、実家みたいな安心感がありました(笑)。 ⽥中利幸(Key):本当に会場がすごくデカかったし、歓声がモニターを飛び越えて聴こえてくるぐらいだったので、すごく嬉しかったです。あとは、もうちょっと小箱でもやってみたいなって思いました。小箱であの熱狂があったら、どういう感じなんだろうなって。基本的にはデッドな環境が映える曲が多いバンドなので、小さいライブハウスで各々が音楽と向き合って、どういう化学反応が起こるか気になりました。 ⼤蔵倫太郎(Ba):すごく気持ち良かったんですけど、めちゃくちゃ暑くて、ビシャビシャでした。とにかく暑いことを伝えようとして、「I‘m Hot」って言ってたんですけど、それってめっちゃエロい意味だったみたいで(笑)。そういう英語の学びがありました。 ―そうした巨大なステージでのライブがある一方で、9月にはビルボードライブ横浜に初出演しました(「ナノ・ユニバース」創立25周年記念イベント【S.A.R.×新東京 at Billboard Live YOKOHAMA 2024】)。1stステージを拝見させてもらったのですが、ああいう会場でのライブはいかがでしたか? 杉⽥:ライブレストランでやった経験がそんなになかったので、特に1stステージはちょっと探り探りというか、どういうテンションでいくのが正解かわからなかったんです。でも、良い意味での落ち着きみたいなのはあったかなと思っていて。無理に熱量を上げたり、手を叩いてもらったりとかそういう必要がないっていうか。体の力を抜いて、良い音を鳴らすことが求められているっていうことを楽しめたと思います。 ―⼤蔵さんは、頻繁にステージ前に出て弾いてましたよね。 ⼤蔵:ああいう、座って美味しいごはんを食べながら聴いている瞬間がなくなるときが一番興奮するんですよ。コットンクラブのときもビルボードのときも、最後は結局ウワ~ってなっちゃうっていう感じが良いですね。