まだ間に合う?AI・半導体ブーム【Bizスクエアで学ぶ投資のキホン#21】
■データセンター向けGPUでシェア世界一 エヌビディアとは一体どんな会社なのか、そしてその強さの理由は? ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: エヌビディアは、グラフィックボードに使うGPUを作っている。GPUは「画像処理半導体」といわれる。よく知られてるのがCPU(中央演算処理装置)。CPUは処理を1系統で、順番に処理していく。パワーがあるので大きな処理を1本流せる。それに対してGPUは、複数の小さな処理を同時並行でできる。例えるとCPUは、2tトラック1台。たくさん荷物を運べるが、1軒1軒のお宅を順番に回っていかなければいけない。それに対して、GPUは宅配ピザのバイクが100台あるようなイメージ。荷物は少ししか積めないが、同時に100台でバーンと行くことが出来る。いろんな処理を同時にできるという違いがある。元々はゲーム向けに使われていたが、GPUがAI向けに使えることにある時からみんなが気づき始めて、AIに使うようになった。しかもそのAIが、爆発的に拡大している。中でも、エヌビディアのGPUはデータセンター向けがすごく強くて、絶好調。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: 例えば日本だけでも2024年以降、データセンターを新しく作ろうという計画が北海道から、九州まで37社44拠点もある。これらのデータセンター全部というわけではないが、エヌビディアのGPUへのニーズは相当世界中にある。 ――日本でも世界でもデータセンターを作っていく動きがある。まだまだエヌビディアの見込みはあるということか。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: そう考えていいと思う。株価自体は乱高下すると思うが、エヌビディアに限らず半導体全般の業績はまだまだ拡大が期待できると見ていいと思う。 アメリカの調査会社ガートナーによると、2024年の人工知能向け半導体の世界市場規模は2023年と比べて33%増加し、2024年で710億ドル。そして2027年には1194億ドル…もうトントン拍子で上がっていく。