まだ間に合う?AI・半導体ブーム【Bizスクエアで学ぶ投資のキホン#21】
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: その通り。今まで1200ドル出さなければ1株買えなかったのが120ドル位で買えるようになったので、小口の投資家でも買いやすくなったということだ。「株価が10分の1に下がったというと、元々株を持っていた人は10分の1に目減りしたのか?」というと、「120株を10株持っている」計算になるので、理論上は価値は全く変わらない。また購入単価が買いやすくなるし、売るときも、今までだったら1200ドル分まとめて売らなければなかったのが、半分だけ売ることもできるようになった。購入単価も売却単価も下がったことによって流動性が上がる。投資家からすると、売買の自由度がより買いたいときに買える、売りたいときに売りやすくなるというメリットがある。 ――それを聞くと、もっと他の企業も分割していけばいいと思うが。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: アメリカでは株式分割は当たり前のように行われている。むしろ、日本の方が株式分割にはまだまだ消極的。ただ、企業のコストが増えてしまうこともある。 ■エヌビディア時価総額が一時世界一に 投資信託との関係は!? エヌビディアの影響で、S&P500や、ナスダックも最高値を更新し続けている。 これを牽引しているのが、エヌビディアだ。 ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: エヌビディア一強と言ってもよいかもしれない。例えば我々がエヌビディアに投資するときに、NISAの成長投資枠で1株120ドルぐらいで、エヌビディア株を買うことはできるが、それはNISAという枠を通じて、アメリカ株を買うことになるので、儲かったとしても、アメリカでは税金を払わなくてはいけない。 ――NISA枠でも税金が引かれてしまう? ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏: アメリカ株を買った分は、アメリカに払う税金がかかる。これは避けられない。それに対してS&P500とかナスダックの連動型の投資信託がある。こうした日本の投資信託を買うと、ファンドの中ではエヌビディアで儲かった分はアメリカに税金払わなければいけないが、日本の分はNISAだから無税になる。例えばナスダック100という指数には、エヌビディアが8%ぐらい組み入れられている。S&P500でも7%弱、オールカントリーいわゆる全世界株式でも3.7%。だからエヌビディア株を直接買わなくても、こういう投資信託を持つことで間接的にエヌビディアに投資することもできるし、同時にリスク分散もできる。 例えば毎月1万円、S&P500買ったとしたら、そのうちの678円はエヌビディア株を買っているということ。