「五輪に呼べないくらい活躍したい」ベルギーで存在感を増す19歳日本人FWが見据える“進化のカタチ”。「嫌ではないから潰れ役でもいい」【現地発】
「W杯を目ざしていれば、ロス五輪はあくまで通過点」
アシスト役としての自負もある後藤だが、この1年で2つとアシストの数は少なかった。 しかし、RSCAフューチャーズの映像を見直すと、後藤の完璧なお膳立てを味方が決め切れなかった“アシスト未遂”のシーンが多い。特にニアで潰れてゴール前で好機を作る動きは、クーン監督から高く評価されているという。11節のセラン戦(11月10日/2-2)で記録したアシストは、後藤がクロスに対して潰れながらボールに触ることで、味方がゴール前でフリーになった。 「アシストは付かないですけれど、監督はゴール前で潰れ役になることも求めている。俺はあんまり結果にこだわるタイプの選手ではない。昔からチームが勝てばそれで良い。自分が点を取れなくても、アシストできなくても、チームが勝つための縁の下の力持ち側に回っても俺は全然苦ではないし、全然嫌ではないから潰れ役でもいい。結果(ゴール、アシスト)が一番ですけれど、それ以外の戻り切る、上がり切る、潰れる、戦う――。そういう点につながるようなプレーができれば良いです」 パリオリンピックに引き続き、大岩剛氏がU-23日本代表監督に就き、2028年のロスオリンピックを目ざすことになった。ロス世代の後藤への注目はこれから高まるだろう。 「ロス五輪は目ざしますけれど、呼べないくらいアンデルレヒトで活躍したい。せっかく18歳(移籍当時)で海外に来ることができたので、アンダー世代のロスオリンピックではなく、26年の北中米ワールドカップだったり、その次のワールドカップだったり、上を見ていきたい。ロスオリンピックを目ざしていたら『オリンピックに選ばれるか、選ばれないかの選手』になってしまいますが、ワールドカップを目ざしていればロスオリンピックはあくまで通過点なので、常に先を見て、かつ足下も見て、という感じでやっていきたいです」 RSCAフューチャーズは現在、15チーム中14位と下位に沈んでいる。それでも第8節、首位のRWDMを後藤の2ゴールで3-2と逆転勝利してから6戦負けなしという好調期を迎えるなど、開幕直後の不振から脱しようとしている。 「順位が下も上も詰まっていて、どっちにも行ける勢いと勝点なんで、まずはこの順位から少し余裕のある勝点と順位に行けるようにしたい。自分としてはゴールとアシストという目に見える形で結果を残し続けて、トップチームにデビュー、というのを狙ってやるだけです」 2025年に向け、若きストライカーはまずチームの順位を優先して答えた。チームが上向けば自ずと後藤にゴールとアシストという結果は付いてくるはず。その暁にアンデルレヒトのトップチームデビューが待っている。 取材・文●中田 徹
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