赤楚衛二&上白石萌歌は「戦友のような存在」 20年を演じ切る映画『366日』で活きた信頼関係
■恋人役で再共演! 「勝ちだなと思いました(笑)」(赤楚) 上白石「何も気を遣わずにできるな、と(笑)」
HYの代表曲にインスパイアされた映画『366日』で、赤楚衛二が主演、上白石萌歌がヒロインに。ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(2023年/TBS)以来の再共演となる2人が本作で演じるのは、沖縄出身の仲睦まじい恋人同士・湊(みなと)と美海(みう)。10代~30代半ばまでの20年間を描く壮大なラブストーリーに挑んだ2人が、本作への想いを語ってくれた。 【動画】赤楚衛二&上白石萌歌の音楽ライフは? 映画『366日』スペシャル対談動画 本作は、沖縄と東京という2つの都市を舞台に、20年の時を超えた、切なすぎる純愛ラブストーリー。2003年、沖縄に住む高校生・湊(赤楚)は、同じ高校の後輩・美海(上白石)と出会う。同じ音楽が好きな2人は自然と惹かれ合い、付き合うことに。東京の大学へ進学した湊に続き、美海も上京。東京で2人は幸せな日々を送り、やがて湊は音楽会社に就職、美海は通訳という自分の夢に向かって頑張っていた。「こんな幸せが、365日ずっと続きますように」―そう願っていた2人。だがある日、湊は突然、別れを告げ美海のもとを去ってしまう…。 ――再共演が決まった時のお気持ちを聞かせてください。 赤楚:『ペントレ』ですでに信頼関係を築くことができていたので、(上白石萌歌さんとの)共演が決まった瞬間、「あ、勝ちだな」と思いました(笑)。 上白石:私も心強かったですね。やっぱり恋愛ものは初対面の方だと気を遣ったり、いろいろな気持ちを計りながら演じたりするところがあるんですが、赤楚さんとだったら、もう何も気を遣わずにできるな、と(笑)。そうしたベースとなる信頼関係がありましたし、私は勝手ながら(赤楚さんが)戦友のような存在だと思っていたので(笑)、こうして濃密にお芝居でぶつかることができることが楽しみでした。 ――今回、高校生から社会人の30代まで同役を20年間演じられましたが、演じるにあたって意識したことや役作りでされたことはありますか? 上白石:私はこんなに幅広い年代を演じたのが初めてでした。年代順の撮影ではなかった分、母親になることも急だったり、別れや出会いもバラバラだったりしたので、自分の身なりや湊の状況、「娘の年齢的に美海は母親何年目なのか」とか…そうした美海の周りの環境を考えながら、その歳の美海の表情はこんな感じかなと想像したり、母に母親になった時の気持ちを聞いていろいろ考えながらお芝居をしました。母には一番相談しやすかったので、子供を育てることなどについて聞いていました。 赤楚:僕は演じ分けるために、演技の重心を変えていこうと思って、その高さを意識して演じていました。 ――演じた役とご自身で重なる部分、異なる部分は? 赤楚:僕はどちらかというと外交的で、思ったことをすぐ口に出すし、我慢することが割と苦手なタイプなので、(演じた)湊とは割と逆なのかなって思います。でも、相手が大切だからこそ気持ちを伝えられない湊の気持ちは共感できるので、そういうところをふくらませて湊の人間像を作っていきました。 上白石:撮影が始まったばかりの時に、監督がおっしゃった「美海は太陽で湊が月であってほしい」という言葉がすごく印象的だったんです。月は太陽がないと成立しないし、太陽もまた月がいないと存在できないっていう意味で、お互いがお互いを照らし合っている美海と湊のイメージがつきました。「美海は本当に“純”な太陽であってほしい」ということを、監督から現場で何度も言われたので、「人の明るさって何だろう」「沖縄の日光を浴びて育った女の子の純粋な明るさとは?」というところを探り探り考えながら演じていました。