家の解体工事で、見積書の見方、費用を抑える方法を解説! アスベスト調査義務化で費用が高騰
なぜ?同じ作業項目でこんなに金額が変わるのか
複数の見積書を検討していくうえで、同じ項目なのに金額に大きな差が出ることもある。解体工事の価格はさまざまな要因で変動するのだ。主な要因としては、地域差、季節変動、作業条件が挙げられるという。 地域差による違い 川口社長は地域差による違いについて次のように語る。「地域によって人件費や廃棄物処理費用が異なります。例えば、都市部では地価が高い等の理由から廃棄物処分のコストが高い傾向のあり、また廃棄物処理場までの運搬距離も長くなる傾向があることから、解体費用も高くなりがちです」 季節変動による違い 季節変動については、例えば豪雪地帯では冬季の解体工事は除雪作業も含めて行うことが多くなり、どうしても費用が高くなる。また、年度末の3月や、空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)の期日となる年末までに建物を解体したいという需要もあるため、年末近くになると価格が上がる傾向にあるという。 作業条件による違い 作業条件も大きな要因だ。狭い場所での作業は大型機械が使えないので人手がかかり、結果的に費用が上がる。 「大型重機ならば1日で終わる作業であっても、重機の進入経路がない場合は小型のものでしか作業できず余計に時間がかかるということもあります。当然、それだけ人件費もかかってしまいます。こうした細かい点も意識しながら、見積書を検討したほうがよいでしょう」(川口社長) また、周辺環境への配慮が必要な場合、防音対策や粉じん対策などもコスト増になってくる。こういう費用は安全や衛生に関わる話なので、無駄だと思って値切るのはおすすめできない。 特に自宅の建て替えなどであれば、解体から新築以後の周辺住民との関係性もある。解体費用は値切ればいいというものではないことは、ユーザー側がよく知っておくべきだろう。 構造や材料による違い 建物の構造や使用されている材料によっても解体の価格は変わる。例えば、木造と鉄筋コンクリート造では解体方法も費用も大きく異なる。また、前述してきたようにアスベストが使用されている場合は、特殊な処理が必要になるため、費用が高くなることも知っておこう。