家の解体工事で、見積書の見方、費用を抑える方法を解説! アスベスト調査義務化で費用が高騰
見積書で注意すべきポイントとトラブル防止策
見積書を元に工事を発注したものの、作業開始後に想定外の事態になることもある。よくあるのは工事を発注した側と解体事業者側とのすれ違いだ。 更地といっても、業者により大きな差 「まず、仕上がりの状態がどうなるのかを、しっかり確認することが重要です」とクラッソーネの川口社長は語る。 「例えば、『更地にする』という作業内容の合意があっても、人によって想像する状態が異なることがあります。廃棄物はどの程度取り除くのか、整地はどの水準で行うのか、新たな土を入れるのか否かなど、具体的にどの程度の状態にするのか、事前に確認しておくことが大切です。整地の程度や、残った植栽の処理、境界線の明示など、細かい点まで確認しておくとよいでしょう」(川口社長) 場合によっては画像などを探してきて、「この状態になりますね」と確認するのもよいだろう。 追加費用の可能性について確認 また、追加費用が発生する可能性についても確認が必要だという。例えば、地中に予想外の構造物が見つかった場合など、追加の作業が必要になることがある。こういった可能性について、あらかじめ話し合っておくことで、後々のトラブルを防ぐことができる。 地中埋設物などは規模や深さなどによって撤去費用は大きく異なる。また事前の調査にも限界があるため、優良な解体事業者であっても工事が始まってから想定外のことが判明することもある。解体事業者には「もしも…」に備えた概算費用を聞いておくなどして、影響を最小限にとどめる努力をしておこう。
見積書を比較検討するときに意識しておく4項目
これまで紹介してきたことを意識しながら、複数社から見積もりを取得したらどうすべきだろうか。異なる会社の見積もりを比較検討するためにも知っておくべきことがたくさんある。特に大切なのは以下の4点だ。 ・費用の内訳が明確に記載されているか ・他社と比べて金額設定が高くないか ・現場確認後に見積書を作成しているか ・許可業者であり、自治体へ届出を行っているか これらの点をしっかりと確認することで、不必要なトラブルを避けることができるだろう。見積書の金額は安ければいいというものではない。仮に金額が高くとも、その料金に明確な理由があり、発注する側も納得できるものならば問題ない。 例えば解体現場周辺の交通量が多い場合は、解体事業者側の判断で交通誘導員を追加することもある。当然、その分だけ人件費が高くなるが、なにより安全を優先するために必要なお金の場合は、惜しむべきではないだろう。