GT500ルーキーシーズンで光る速さ見せた名取鉄平、2年目は“勝てる体制”へのステップアップ望む「僕は今が1番大事な時期」
2024年はスーパーGT・GT500でのルーキーシーズンとなった名取鉄平。来季に向けては、さらなるステップアップを希望している。 【ギャラリー】スーパーGTを彩った“カルソニックブルー”のマシンたち かつては現F1ドライバーの角田裕毅とFIA F4でチャンピオンを争った後に渡欧するなど、ホンダ育成ドライバーとして期待されていた名取だったが、その後のキャリアは波瀾万丈に。帰国後にホンダ育成を外れてから2021年にスーパーフォーミュラ・ライツでチャンピオンを獲得するも、その後の海外再挑戦の話がまとまらなかったことも尾を引き、2022年は国内トップカテゴリーのレギュラーシートも得られなかった。 しかし2023年からスーパーGT日産陣営のドライバーとなり、同年はKONDO RACINGからGT300クラスに参戦。好成績を収め、翌2024年シーズンはKONDO RACINGのGT500チームに昇格を果たした。 GT500のヨコハマタイヤ勢が苦戦していることもあり、名取は優勝争いに絡むことはできなかったが、予選ではヨコハマと共に光る速さを見せた。第7戦オートポリスでは名取のアタックでポールポジションを獲得。全車ノーウエイトの最終戦鈴鹿でも、Q1で最速タイムを叩き出してチームの予選4番手に貢献した。 「オートポリスでポールポジションを獲得して、昨日の予選(最終戦の予選)もQ1トップタイムだったので、個人的には後半戦からドライビング的にひとつレベルを上げられたんじゃないかと思っています。そういう意味では、すごく良いシーズンだったなと思います」 シーズンを振り返ってそう語った名取。特にタイヤのピックアップ(タイヤかすの付着)やグレイニング(ささくれ摩耗)などの対処という面では、GT300時代にはない経験を積めたといい、「ヨコハマだとタイヤの(作動領域の)幅が狭い部分があるので、ピックアップの取り方など苦労することもありましたが、今回の鈴鹿戦もオープニングラップで順位を下げたとはいえ、そこから追い上げるレースもでき、ペースもそこまで悪くなかった。そういった面では後半戦は決勝パフォーマンスも含めて結構良かったのでは」と語った。 日産陣営は、2024年シーズンをもって4度のGT500チャンピオンであるロニー・クインタレッリが引退。NISMOのシートが1席空くこととなり、2025年シーズンに向けてはどのようなラインアップになるのか注目されている。 名取に「2025年シーズンはどういった1年にしたいか」と問うと、彼はブリヂストンユーザーのチームへと移籍したいと率直に述べた。 現在日産陣営ではNISMO、NISMO NDDP、TEAM IMPULの3チームがブリヂストンタイヤを装着。優勝争い、上位争いに絡んでいるのは上記3チームというのも確かだ。名取はキャリアにおいて重要な時期に差し掛かっている今、優勝を目指せる環境に身を置くのが重要だと説明した。 「できればブリヂストンタイヤを履いて、優勝が狙えるチームで走りたいです」 「僕は今24歳ですが、今が一番大事な時期です。この1年、2年が本当に大事なので、そこで結果を出すということを考えると、今のGT500ではブリヂストンを履くしかないと思っています」 「そこに選ばれてもおかしくないパフォーマンスを今年出した自信はあります。オフシーズンも引き続きトレーニング頑張ります」
戎井健一郎
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