ワクワクするものを日本企業に作ってほしい、デジタル大臣・河野太郎 2年間を振り返る
「最先端な日本」にワクワクする日を楽しみにしている
「原因はさまざまですが、社員数が少ない企業は長い調達期間に人を張り付けられなかったり、反対に調達期間が短いと入札に必要な書類が準備できないという声も聞きます。支払いが納品後になってしまうとキャッシュフローが持たないなどの課題もあるようです。今後はスタートアップにも大きな事業案件の調達により積極的に参加してもらえるよう、デジタル庁としてさまざまな要望に向き合いながら支援策を充実させたいと考えています」 ■「最先端な日本」にワクワクする日を楽しみにしている 河野大臣は自身のXやインスタグラムなどソーシャルメディアのアカウントで、体験した最新のデジタルガジェットの話題もよくポストしている。河野大臣がいま注目するデジタル業界のトレンドを聞いたところ意外な答えが返ってきた。 「私は1980年代に米国の大学に留学しました。卒業後は日本の企業に就職して、東京で働く海外出身の同級生も数多くいました。彼らが日本に来て、真っ先に足を運ぶ場所は決まって東京銀座のソニープラザでした。当時はポータブルオーディオプレイヤーの『ウォークマン』が大流行した時代でもありましたが、日本を代表するエレクトロニクス企業であるソニーがつくったおもしろいものを見に行くことが友人たちの大きな楽しみだったようです。その後も携帯電話のiモードが出てきたり、海外の方々にとって日本のデジタルテクノロジーが最もまぶしく輝いていた時期がありました」 「ところが現在ではアップルにグーグル、OpenAIをはじめとする海外企業の話題ばかりが目に留まり、日本の企業に以前ほど勢いが見られなくなったと感じています。私はそのことがとても残念でなりません。私は日々、新しいデジタルテクノロジーや製品、サービスに触れながらも、『とにかく何でもいいから斬新でワクワクするものを日本企業に作ってほしい!』と強く願っています。日本の企業にガッツを取り戻してほしいですね」 河野大臣はデジタル大臣として、これまで2年間に渡って日本のDXの顔になり、現在の日本が抱える数々の課題を洗い出しながら迅速に対処する体質を根付かせた立役者だ。河野大臣が短い間に蒔いてきた種が、いまそこかしこに芽を吹いている。日本のDXが明るい光を浴びて大きな木に育つよう、デジタル庁の取り組みにこれからも注目したい。
山本 敦