ジェシー・ロドリゲスが暫定王者ゲバラを一蹴 将来的には井上尚弥、中谷潤人との対戦も希望
◆プロボクシング ▽WBC世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇正規王者ジェシー・ロドリゲス (3回TKO) 暫定ペドロ・ゲバラ●(9日=日本時間10日、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア ウェルズ・ファーゴ・センター) 【写真】ベルトを手に入れ歓喜の表情! WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチは、正規王者ジェシー・ロドリゲス(米国/帝拳)が暫定王者ペドロ・ゲバラ(メキシコ)に3回TKO勝ち。初防衛に成功するとともに、WBC団体内王座統一に成功した。 戦績は24歳のロドリゲスが21勝(14KO)、35歳のゲバラが42勝(22KO)5敗1分け。 “LEGEND SLAYER(英雄殺し)”がまた一人、世界2階級制覇王者を打ち破った。正規王者ロドリゲスは元WBC世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王者でWBC世界スーパーフライ級暫定王者ゲバラに初回からプレスをかけると強烈なジャブやワンツーを打ち込んだ。3回、破壊力のある左ストレートを打ち込まれたゲバラはダウン。立ち上がった相手にロドリゲスは強烈な右アッパーを突き上げると再びダウンを演出し、2分47秒、試合を決めた。 ゲバラは今年5月、アンドルー・モロニー(オーストラリア)との暫定王座決定戦に2―1判定勝ち。団体内王座統一戦の機会を勝ち取った。14年12月、八重樫東(大橋)とのWBC世界ライトフライ級王座決定戦で7回KO勝ちして世界の頂点に立ったが、15年11月には木村悠(帝拳)に判定負け。17年10月には当時WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(BMB)に挑戦し判定負けを喫している。歴戦の強豪をロドリゲスはまたも一蹴した。 「(自分のパフォーマンスに)かなり満足している。こうなることは分かっていた。もう少し打ち合いになるかと思ったけど、彼は最初から動いていた。今夜、僕がどういう人間かわかっただろう?」。“バム”の愛称で知られるロドリゲスは2022年2月、シーサケット・ルビンサイ(タイ)の“代役”としてカルロス・クアドラス(メキシコ)とのWBC世界スーパーフライ級王座決定戦に出場。判定勝ちして世界王者となった。同年6月にはシーサケットに8回TKO勝ちした。その後、階級をフライ級(50・8キロ以下)に下げて23年4月、WBO世界同級王座決定戦でクリスチャン・ゴンサレス(メキシコ)に判定勝ちして世界2階級制覇を達成。同年12月にはIBF王者サニー・エドワーズ(英国)との統一戦を9回終了TKOで制して、2団体王者となった。その後、再び階級をスーパーフライ級に上げ、今年6月、階級最強と言われた王者フアンフランシスコ・エストラーダ(メキシコ)に7回KOして王座奪取に成功した。 ロドリゲスはWBA正規王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)との統一戦を望んでいるが、マルティネスは前王者・井岡一翔(志成)とのリマッチが取りざたされており流動的。一方で、ロドリゲスにはサウジアラビアでのビッグマッチのプランもあるといい、統一戦か、元世界4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)の名前も対戦候補として挙がるという。ロマゴン戦について向けられると「準備はできている」とロドリゲス。「もし統一戦が実現しなくても、いいじゃないか」とビッグマッチ実現を期待した。 現在、米国で最も権威のある専門メディア「THE RING」が選定するパウンド・フォー・パウンド(PFP、階級を超えた最強ランキング)で7位に入っている。親日家で知られるロドリゲスは何度も来日し、日本人ボクサーにも興味を示している。将来的には階級を上げて、現在9位のWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)で、王者・中谷潤人(M・T)や2位のスーパーバンタム級(55・3キロ以下)世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)との対戦希望もあるという。ロドリゲスは海外でのインタビューで「階級は違うけど、数年後、階級が合ったら…。自分の力なら勝てる。中谷も井上も(対戦は)時間の問題だ」などと話しており、数年後のマッチアップに夢を広げている。
報知新聞社