それって“とるだけ育休”かも?「男性育休白書」に見る育休実態、男女間に差のある満足度に注目
では、育休復帰後の職場への影響は?
家族にとっては良いことだらけの男性の育休だが、その間仕事を休むことになるので、気になるのは職場に復帰した後のことだろう。 「育休取得後に会社に復帰した男性に職場での変化」について、育休取得日数別に聞くと「職場の子どもがいる人へより一層配慮するようになった」(1週間未満27.9%、1カ月未満20.3%、6カ月未満35.0%)や「職場でお互い様という気持ちや行動が増した」(1週間未満22.5%、1カ月未満18.9%、6カ月未満25.7%)などの回答が多かった。 一方、取得日数1週間未満では低いものの1週間超になると高くなる変化としては、「チームの業務の棚卸や分担の見直しをした」(1週間未満10.5%、1カ月未満21.6%、6カ月未満16.8%)、「自部署において効率的な働き方ができるようになった」(1週間未満10.1%、1カ月未満17.8%、6カ月未満18.1%)など、効率的な働き方になるといった効果も生じていることが分かる。 さて、夫が育休を取得した女性の意識はどう変わっただろう? 家族の関係がよくなったといった回答のほかに、「仕事への意欲が増加した」、「自身のキャリアアップを前向きに考えるようになった」といった回答もあり、妻のキャリアアップにも良い影響をもたらしたことがうかがえる結果だった。
男性の育休は「とるだけ育休」か?
男性の育休取得には、さまざまメリットがあるようだが、注意したい点がある。それは、男性が育休を取得しても家事・育児に参加しない「とるだけ育休」だ。 男性・女性それぞれに、男性が取得した育休が「とるだけ育休」かどうかを聞いたところ、男性は34.8%、女性は42.0%が「とるだけ育休」だと思うと回答した。筆者が思ったより多い印象だ。特に、男性の育休取得日数が「1週間以内」で高くなっているが、「1カ月以上」でも女性は男性の育休を「とるだけ育休」だと4割近くが感じている。
この違いは、「育休期間中の満足度」に影響を与えるのだろうか? 実は、男性のほうは、「とるだけ育休」と思う、思わないにかかわらず、満足度はあまり違わない。ところが、女性のほうは「とるだけ育休」と思う、思わないで満足度が大きく変わっている。