久保健英がピンチ?!森保監督が「ひと皮むけないといけないとき」と異例の檄…鎌田大地と代表内序列が入れ替わる可能性も
鎌田はアジア2次予選が折り返した昨年3月から、4-2-3-1システムのトップ下のファーストチョイスを担い続けてきた。しかし、初戦でオマーンに、第3戦でサウジアラビア代表に負けたアジア最終予選の序盤戦でプレーに精彩を欠き、さらに森保監督が決断した4-3-3へのシステム変更に伴ってポジションを失った。 「最終予選になって一気にギアが上がったときに、彼の持っている攻撃面でのよさを上手く出せていなかった。ならば違う選択をした方がいい、となった」 新システムのもとで鎌田をリザーブに回し、今年に入ってからは選外としてきた理由を明かした森保監督は、いまでは状況が変わりつつあるとつけ加えた。 「今回のヨーロッパリーグのように、どのようなプレッシャーがかかったなかでも彼ができるプレーを代表でも発揮してもらえれば、自然とチーム力にも反映されていく。彼のよさを出せるような関係作りを、次はしていきたいと考えている」 森保監督が継続した4-3-3システムのもとで6連勝をマークした日本は、7大会連続7度目のワールドカップ出場を決めた。息を吹き返した過程で4-2-3-1システムはオプションに変わり、トップ下として鎌田よりも久保が適任だと判断された。 しかし、あくまでも最終予選を戦い終えた3月末までの序列であり、森保監督が「次」と位置づけた上で鎌田の復帰を示唆した、国内で4連戦が組まれている6月の国際親善試合シリーズで見せるパフォーマンス次第で状況は大きく変わる。 ホームのドイチェ・バンク・パルクでウェストハムを破り、ヨーロッパリーグ決勝進出を決めた直後の日本時間6日朝に鎌田は自身のツイッター(@sagantos24)を更新。ピッチ上で狂喜乱舞する映像を引用しながらこうつぶやいた。 「歴史を作るよこの素晴らしいチームとファン達と」 所属クラブでの充実ぶりが、その先で招集された代表チームにも好影響をもたらす。この図式で考えれば、復帰した場合の鎌田には大きな期待をかけたくなる。 対照的に久保はアギーレ監督の要求に応えながら、セビージャ、ラージョ・バジェカーノ、オサスナと戦う残り3試合で逆転での1部残留を目指す。胸中にさまざまな思いを抱えているはずの久保へ、森保監督はこうつけ加えることも忘れなかった。 「チームとしても難しい状況のなか、監督が代わってまだ数試合で自分を認めてもらうという難しい状況を乗り越えていける選手だと思うし、実際に乗り越えていってくれればまたパワーアップした選手になれるのではないか」 今月末からは代表活動が予定され、カタールワールドカップを見すえた新たな一歩が踏み出される。コロナ禍が考慮され、従来の23人が26人に増える可能性もある本大会のメンバー入りをかけた戦いは、ヨーロッパの地からすでに始まっている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)