原動力は怒りと逆境――ONE OK ROCK・Takaが目指す「アメリカでのロック回帰」
アメリカでアジア人がロックを取り戻す
アルバムのタイトル『Luxury Disease』は、ONE OK ROCKが2007年にリリースした最初のアルバム『ゼイタクビョウ』のタイトルを英語にした言葉だ。 「アメリカに移ってきて、今になってやっとスタート地点に立てた感覚がある。日本でやってきたことをこれから海外でもう一回やるっていうことでもありますね」 拠点を移したことで得られた出会いが、バンドを後押ししてきた。「反逆者」を意味するタイトルの「Renegades」という曲は、世界的なポップスター、エド・シーランとの共作曲。Takaとの親交から始まったコラボレーションは、ロックテイストの強い、ハードでエネルギッシュなサウンドに仕上がった。 「最初はロックな曲を作ろうという感覚はなかったんです。ただ、エドはONE OK ROCKのライブも何回も見てますし、一緒にツアーも回っているので、僕らのファンが何を求めてるかを理解している。作っていくうちに自然とロックになっていきましたね。エドも、アルバムのプロデューサーのロブ・カヴァロも、僕らが日本でやるライブの一体感にびっくりしていた。これがロックだと言っていました」
アルバムのプロデュースは、グリーン・デイなど数々のロックの名盤を手掛けてきたロブ・カヴァロ。彼との制作作業においても「日本人である自分たちがアメリカでロックシーンをもう一度盛り上げる」という目標を最初に告げたという。 「僕らと同じ世代のアメリカのミュージシャンが今からロックを取り戻そうとするのは、不可能に近かったりするんですよ。というのは、僕らの世代の人たちはもうすでに有名なプロデューサーやアーティストとして活躍していて、アメリカのエンターテインメントのシーンに適応してしまっているから。もともとロックが好きだし、聴いてきているんだけど、今さら戻れない。だからこそ、僕らみたいな外野の人間が、アジア人としての要素を詰め込んで、ロックをかき鳴らすのが手っ取り早い手法なんじゃないかと思います」