過半が今月日銀会合で国債減額予想、年内利上げ9割に増加-サーベイ
(ブルームバーグ): 日本銀行が来週に開く金融政策決定会合では、エコノミストのほぼ全員が追加利上げの見送りを予想する一方、過半が国債買い入れの減額を決めるとみている。追加利上げの時期は7月と10月が約3割で拮抗(きっこう)している。
ブルームバーグが5月31日-6月5日にエコノミスト51人を対象に実施した調査によると、13、14日の会合での追加利上げ予想は1人だけだった。利上げのタイミングは7月と10月が共に33%で最多。92%が年内を見込んでおり、前回の4月会合前の調査の81%から増加した。
一方で、今会合では国債買い入れの減額が決まるとの見方が54%に達した。決まると思わないとの予想は26%だった。先行きの国債買い入れやバランシートの予見性を高めるためにも、日銀が工程表に近いものを示すべきかとの問いには、「はい」との回答が65%を占めた。
調査リポート:日銀6月会合は6割が現状維持-利上げ予想時期早まる
日銀が3月会合で世界で最後のマイナス金利を解除して17年ぶりに利上げし、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)も廃止した。4月会合では政策を据え置いたが、物価上昇圧力や円安傾向の継続を背景に早期の追加利上げや国債買い入れ減額の観測が強まっていることが、今回の調査でも裏付けられた形だ。
大和総研の熊谷亮丸副理事長は、今会合について「短期金利の誘導目標水準は現状維持としつつ、国債購入ペースの柔軟化または購入額の減額を決定する可能性がある」と指摘。長期金利の上昇は短期金利に比べて実体経済に与える影響は小さいとし、「長期金利の上昇を促すことで、景気への悪影響を抑えつつ効果的に円安圧力を緩和し、インフレリスクを軽減することができる」と語った。
長期金利(10年物国債金利)は5月30日に一時1.1%と約13年ぶりの高水準を付けた。日銀が意識している可能性がある長期金利の上限については、52%が1.5%程度と回答。「上限は特にない」との回答も35%あった。