<大映ドラマの系譜>「スチュワーデス物語」 堀ちえみ主演の80年代大映ドラマの金字塔 “2時間ドラマの女王”も強烈キャラに
「スクール☆ウォーズ」「ヤヌスの鏡」など日本のテレビドラマ史において、ひときわ異彩を放ち、視聴者を熱狂させた「大映ドラマ」。大胆なストーリー展開に、キャスト陣のエモーショナルな演技は、今なお色あせない魅力を放っている。ここでは毎回1作品にスポットを当て、その作品の特徴や当時の社会背景なども探りつつ魅力をひもといていきたい。今回は1983~1984年に放送された堀ちえみさん主演の「スチュワーデス物語」(TBS)について取り上げる。 【写真】堀ちえみが久しぶりのCA姿「どこまでいってもドジでノロマなカメ」
◇“お仕事”דスポ根”の絶妙なバランス
「スチュワーデス物語」は深田祐介さんの同名小説が原作。パイロットだった亡き父と同じ日本航空のスチュワーデスを目指す松本千秋(堀さん)の“根性”と“成長”を描くストーリーで、教官である村沢浩(風間杜夫さん)との恋愛、同期の仲間たちとの友情、村沢の婚約者・新藤真理子(片平なぎささん)や、継父の松本誠治(長門裕之さん)の嫌がらせとさまざまな出来事が巻き起こる中で、一人前のスチュワーデスになるべく奮闘していく千秋の姿が描かれている。
“お仕事ドラマ”にいわゆる“スポ根もの”の要素を絶妙なバランスで掛け合わせつつ、親族からのイビリにライバルからのいやがらせ、劇画タッチの演出やセリフ回しといった“大映イズム”で彩ったまさに1980年代を代表する金字塔とも呼べる作品だ。ちなみに同じ深田さんの小説を原作に同作のメインスタッフが再集結した「トップスチュワーデス物語」が1990年に放送されており、山田邦子さんが主演を務め、井森美幸さんらが出演している。
◇エンタメカルチャーの嚆矢が生まれた1983年
「スチュワーデス物語」が放送された1983年は、連続テレビ小説「おしん」が社会現象化し、東京ディズニーランドの開園、テレビゲームブームのきっかけとなった任天堂のファミリーコンピュータが発売と、現在まで続くエンターテインメントカルチャーにとって大きな年となった。