<大映ドラマの系譜>「スチュワーデス物語」 堀ちえみ主演の80年代大映ドラマの金字塔 “2時間ドラマの女王”も強烈キャラに
そんな1983年に放送された同作で主演を務めた堀さん。当時16歳ながら19歳の主人公・千秋を演じたが、フレッシュな訓練生らしさが随所にでていた。「教官(きょおかん)!」「ドジでノロマな亀」といった作中のせりふが流行語になり、誰もがまねしたのも必死で千秋を演じた堀さんの姿があってのことだろう。
本作の後も同じ大映テレビ制作の「スタア誕生」(フジテレビ)、「花嫁衣装は誰が着る」(同)でも主演を務めており、まさに80年代の大映ドラマを代表するスターとなった。近年ではタレントとしても活動しており、口腔がんの闘病を経て、現在でもコンサートを行うなど活躍している。
◇片平なぎさが演じた両手が義手の強烈キャラ
山咲千里さん、高樹澪さんらが演じた千秋の同期生たちや、石立鉄男さんをはじめとした大映ドラマおなじみの面々など魅力的なキャストの中で、特に印象深いのは後の“2時間ドラマの女王”片平さんが演じた新藤真理子だろう。
真理子は、千秋が憧れる村沢の婚約者で、社長令嬢という典型的な“恋のライバル”だが、村沢のせいで両手を骨折して義手になったという強烈なエピソードまで付いてくるのは大映ドラマならでは。歯を使って手袋を外す(効果音付き)というくだりはインパクト大で、前述の千秋のせりふと並んでまねした人が多かった。今でも手が塞がって、歯で手袋を外すときについつい思い出してしまう人もいるのでは。【ドラマ取材班・T】