68歳・既婚「夫の定年退職の開放感から、旅行などで散財。さらに病気で医療費がかさみ、貯金が底を付き…」【シニア世代の家計簿アドバイス】
◆『おつかいメモ』で食費や日用品費の節約 次に改善すべきは、月ごとに変動する食費や日用品費だ。「合わせて7万4000円は使いすぎですね。月5万円まで、と予算を決めて管理する習慣をつけましょう。私がおすすめするのは、『おつかいメモ』。紙を用意し、上部に冷蔵庫の在庫を、その下の左半分に1週間分の献立を、右半分に必要な食材など買うものを書いておきます。そして、そのメモを持って買い物へ。もし週の途中で不足するものがあれば、それだけを買い足す。この方法なら、無駄買いや食品ロスがなくなるうえ、ゴミも減って一石二鳥です」 予算を管理するのが苦手な場合、コツはあるのだろうか。「即時に銀行口座から引き落とされるデビットカードを活用してみては。食費と日用品費の専用口座を作り、買い物時にデビットカードで支払うのです。たとえば、予算が5万円なら口座に6万円入金し、月末に1万円残るようにやりくりする。そして月初めに5万円を入金。この方法なら、家計簿をつけなくても通帳とカード明細で管理でき、使いすぎを防げます」 A美さんの悩みの一つが、子や孫への援助だ。子どもたちが家に帰ってくるときは食事を豪勢にしたり、孫の祝いごとや季節の行事のたびにお金を渡したり。負担に感じつつも、やめどきがわからないという。 「お子さんには家計の状況を伝え、今までと同じ援助はできないと正直に打ち明けて。心配をかけたくない気持ちもわかりますが、このままでは老後破綻を招き、もっと大きな迷惑をかけることになりかねません」 もう一つの悩みは、80歳まで残る住宅ローン。このまま家計の赤字が続けば、マンションを手放すことも考えているそう。 「それは最終手段。その前にできることがたくさんあります。お伝えした節約と家計管理を実践して、健全な家計にすることが先決です」
深田晶恵
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