歯科医が教える「正しい歯みがき法」 フロスや歯間ブラシは歯みがき前に「奥歯からみがく」がおすすめ、動かし方は小刻みに
虫歯と歯周病を防ぐには効果的な歯みがきが重要だが、“正しい歯みがき法”はどんどん進化している。そこで、歯科医師の高柳篤史さんに歯みがきの最新情報を聞いた。 【写真】歯科医が教える「正しい歯みがき」。歯ブラシの持ち方や、歯の磨き方を紹介!
「正しい歯みがき法」はどんどん進化する
「アメリカ疾病予防管理センターが策定する『歯みがきに関するガイドライン』では、毎日の歯みがきだけでは虫歯予防効果のエビデンスがないとしています。 虫歯予防にはフッ素入り歯みがき粉を使用し、回数ややり方を見直すことが重要です。就寝前を含む1日2回、歯みがきをすると効果的です」(高柳さん・以下同) みがき方は日々進化している。 「歯を失う2大要因の1つである歯周病を予防するには、歯と歯の間、歯と歯茎の間(歯周ポケット)にたまる汚れや歯垢を取るのが最も重要ですが、歯周ポケットのケアは歯科医師や歯科衛生士でないとどうしても取り切れない部分が残ります。セルフケアとともに、歯科医院でのクリーニングを3か月~半年に1度、併用することが望ましいですね」 また、加齢とともに差し歯やブリッジ、入れ歯などが必要となり、口内環境が複雑化すると、歯茎が下がり歯の根元も虫歯や歯周病になりやすく歯の喪失スピードがさらに加速する。1本でも多く自分の歯を残すためにも、これから紹介する情報を参考に正しい歯みがきを行おう。 ◆歯ブラシ各部の名称は知ってる? 歯ブラシは鉛筆を持つ“ペングリップ”で。歯ブラシの硬さは通常は「ふつう」、歯茎に腫れのある人は「やわらかめ」が◎。毛先が開かずとも1か月で交換しよう。
フロスや歯間ブラシでのケアは歯みがき前が効果的!
歯間や、歯周ポケットの汚れ落としは歯ブラシだけでは難しい。歯みがき前に糸フロスや柄付きフロス、歯間ブラシを活用しよう。 「糸フロスにフッ素入りの歯みがき粉をつけて使うと虫歯予防に効果的です」 ◆糸フロスの使い方 【1】約40cmに糸フロスを切り、両端を両手中指に2~3回巻きつけ、親指と人差し指で持つ。 【2】ピンと張ったフロスを歯と歯の間に入れ、歯の間の歯垢を歯茎の中に押し込まず、かき出すように動かす。 柄の付いたF字型フロスも動かし方は同じ。歯間ブラシにはL字型やI字型があり、使いやすいものを選ぶとよい。歯の根元に隙間があったり、ブリッジを装着している場合は、その隙間を歯間ブラシを使用してみがくとよい。