特殊詐欺ルフィグループ“美人かけ子”寺島春奈被告(29)が被告人質問に出廷 フィリピン行きのきっかけは「恋愛ポエム」のTwitter
「ルフィ」「キム」などと名乗る指示役らによる特殊詐欺グループにフィリピンでかけ子として関わり、窃盗と詐欺の罪に問われている寺島春奈被告(29)の被告人質問が、24日、東京地裁(鈴木悠裁判長)で開かれた。 【法廷画】初公判には上下グレーのスエットで出廷した被告人 被告人は上下黒のパンツスーツ姿で出廷。昨年5月、フィリピンから強制送還されるにあたってマグショットが公開されると、SNSやネットを中心に「かわいい」「美人」と話題になったが、この日はマスクにメガネをかけていた。 今年3月の初公判で認否を尋ねられた際には無言を貫いたが(関連記事:ルフィ事件「ナミ」と呼ばれた寺島春奈被告(29)が出廷も「無言」貫く…弁護人は「認否のしようがない」と“反論”)、被告人質問では犯行に至る経緯や犯行の認識について、弁護人、検察官、裁判官の問いかけに対し、遠い記憶を思い出すように答えていた。
きっかけは「恋愛ポエムを投稿しているTwitterアカウント」
被告人と特殊詐欺グループの接点ができたのは2019年10月頃。当時、仕事をしておらず地元の長野県で暮らしていた被告人はある日、Twitter(現X)で「恋愛のポエムをたくさん載せているアカウント」からフォローされた。アカウントのプロフィールを見ると「お仕事の紹介してます」「在宅ワークもある」などと記載されていたという。 その後、フォローバックしたらメッセージが来たのか、自分から送ったのか、相手から勝手に来たのかは「覚えていない」(被告人)が、「ササモリ」と名乗る人物と最初はDMで、後にテレグラムでやりとりするようになる。主な内容は「どのような仕事を紹介しているか」であり、被告人は在宅ワークを紹介してもらうつもりだった。 実は、被告人はフィリピン渡航前に一度、日本でもササモリに紹介された“仕事”をしている。その内容は「人の家に行き、キャッシュカードを預かって現金をおろし、それらを指定された場所に置いてくる」というもの。まぎれもなく、特殊詐欺の「受け子」だ。 この手の事件で実行役となった若者の例にもれず、被告人も“仕事”への申し込みに必要であるとの口実で、生年月日や家族の名前、連絡先などの個人情報を送信してしまっている。被告人質問では当時の心情を「アルバイトをするときに履歴書を出すような感覚だった」と振り返った。 受け子をした後に「(警察に捕まりそうな)危ない仕事だな」と感じた被告人は、ササモリがいろいろな仕事を紹介していると言っていたことから「危なくない仕事を」と依頼。こうして持ち掛けられたのが、後に特殊詐欺のかけ子だとわかる“リゾートバイト”だった。 検察官から「(危なくないということについて)海外でやれば日本の警察に捕まりにくいという意味には捉えなかったのか」と問われた被告人は、「まったく思いませんでした」と答えている。