The Linux Foundation、「Chromium」ベースブラウザーの支援構想を発表
2008年9月の開始以降、Googleによるオープンソースのウェブブラウザープロジェクト「Chromium」は、「Google Chrome」「Microsoft Edge」「Opera」など、多くの人気が高いウェブブラウザーの基盤となってきた。一方でChromiumは、依然として、基本的にGoogle主導の構想であり続けてきた。 そんな中、The Linux Foundationが、「Supporters of Chromium-Based Browsers」という新たな構想の立ち上げを発表した。2025年1月9日に始動するこのプロジェクトは、オープン開発の強化と、Chromiumベースの新しいウェブブラウザーの開発の奨励を目的としている。 「Supporters of Chromium-Based Browsers」とは Supporters of Chromium-Based Browsersは、開発者、そしてより広範なオープンソースコミュニティーがChromiumプロジェクトをサポートするために協力し合う、中立な場を提供する。既存のChromiumプロジェクトは、引き続き現在の所有者の管理下に置かれるが、今後新しいブラウザーが開発されれば、そちらはThe Linux Foundationの管理下に置かれることになる。 Chromeは今後もGoogleの独立したプロジェクトとして継続される。ChromeとChromiumには多くの違いがあり、具体的には以下のような相違点がある: 自動アップデートなし:Chromiumには自動アップデート機能がない。 Googleのサービスとの統合なし:「Chrome Sync」のようなGoogleのサービスとの深いレベルでの統合が、Chromiumではデフォルトでは含まれていない。 コーデック:Chromiumには、「H.264」動画フォーマットや「AAC」音声フォーマット用のライセンス提供されたコーデックを含まない。 デジタル著作権管理(DRM):ChromiumにはGoogleの「Widevine DRM」モジュールが含まれていない。 Google、Meta、Microsoft、Operaなどの大手テック企業が、すでにこの構想の支援を確約している。今後これらの企業は共同で、Chromiumベースのブラウザーに関連するオープンソースプロジェクトが必要とする、資金面および開発面での支援を提供する。 GoogleのChrome担当バイスプレジデントであるParisa Tabriz氏は、声明で次のように述べている。「The Linux Foundationの非常に大きな支援を得たことで、Supporters of Chromium-Based Browsersは、Chromiumエコシステムの継続的な開発とイノベーションにおいて、業界の主要企業や学界、開発者、そしてより広範なオープンソースコミュニティーを支援する、持続可能なプラットフォームを生み出す重要な機会だと信じている」 The Linux FoundationのエグゼクティブディレクターであるJim Zemlin氏も、次のように付け加えた。「Supporters of Chromium-Based Browsersの始動により、われわれはオープンソースコミュニティーの強化においてさらに一歩前進しつつある。このプロジェクトは、Chromiumエコシステム内プロジェクトのオープン開発に大いに必要とされている資金および開発面での支援を提供することになる」 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。