連敗の広島に正念場 小園チーム唯一マルチ安打「下を向く向かないという問題ではない」 3位阪神と3・5差
「DeNA6-1広島」(4日、横浜スタジアム) ここぞの一打でチームを救ってくれ!広島・小園海斗内野手(24)がチーム唯一のマルチ安打をマークし、敗戦の中で存在感を示した。今季、横浜スタジアムでは打率・463と大暴れ。同一カード3連敗阻止へ、小園のバットに期待がかかる。チームは首位の座こそ守ったが、2カードぶりの負け越しで3位・阪神には3・5ゲーム差に迫られた。踏ん張りどころを乗り越えたい。 【写真】新井監督がっくり 表情が固まる 左翼席を赤く染めた鯉党のため息がこだまする。九回の攻撃を三者凡退で終え、敵地で痛恨の2連敗。前夜に続き、序盤からストレスのたまる展開の中、小園が一人気を吐いた。自身4試合連続安打となる、チーム唯一のマルチ安打を記録。「負けているのでなんとも言えない」。無表情で口にした言葉に、主力の自覚がにじみ出た。 初回、先頭の秋山が中前打で出塁するも、続く野間が遊ゴロ併殺打に倒れ、打席を迎えた。カウント1-2と追い込まれながら、ジャクソンのチェンジアップを右前へ。末包も右前打で続き一、三塁の好機を演出。得点にはつながらなかったが「(2死から)チャンスをつくれたのはよかった」と前を向いた。 三回先頭では一、二塁間へのゴロを放ち、全力疾走。一塁へカバーに入った右腕との競争を制し、内野安打をもぎ取った。しかし、ここも後続が続かず無得点。「チームとして、もっとつないでいけるように、自分を含めてやっていきたい」と力を込めた。 3日に4回5失点で降板した森下に続き、この日も先発・アドゥワが二回までに6失点と主導権を握られる試合が続く。反撃を期待された打線も、2試合連続で1得点止まり。「投手が頑張ってくれてのこの順位だと思う。打者陣ももうちょっと頑張りたい」。踏ん張りどころでチーム力が試されている。 同一カード3連敗は許されない中、今季、横浜スタジアムで圧倒的な成績を残している小園にかかる期待は大きい。「そこまで意識はしていない」と話すが、全10試合で安打を放つなど、41打数19安打、1本塁打、3打点で打率・463をマーク。「しっかり点を取って流れを変えられるようにやっていきたい」とポイントゲッターとなり、打線をけん引していく。 チームは2カードぶりの負け越し。2位・巨人も敗れたため、首位の座はキープしたが、3位・阪神との差は3・5ゲームに縮まった。昨季は9月に9勝13敗と失速した苦い思い出もある。「下を向く向かないという問題ではない。勝つために全力でぶつかっていくしかない」と力強く言い切った小園。残り26試合。負けられない試合が続く9月戦線で、背番号51がここぞの一打で勝利に導いていく。